「藤井将雄投手を偲ぶ会」レポート

 〜2000年11月23日:シーホーク内“アルゴス”

(福岡県:まっちゃん)

2000年11月23日、シーホークで行われた「藤井将雄投手を偲ぶ会」に行ってきた。藤井投手は1999年度にホールド王のタイトルを獲得したが、この年に肺を患い、ホークス優勝パレードの翌日に入院。2000年はわずかに2軍で登坂したのみであった。

そしてホークスが2年連続リーグ優勝を決めてまもなく、帰らぬ人となった。告別式が行われた日は奇しくも、彼の32回目の誕生日であった。

17時過ぎに到着すると、すでに20人くらいロビーに集まっていた。会場「アルゴス」の場所を確認するや、私は愕然とした。そこは私が大学(福岡市内某所)を卒業した日、謝恩会が行われた所だった。まさかこんな形で再び足を踏み入れることになるとは…。

開場を待つ人の数はみるみる膨れ上がり、18時過ぎには数百人もの行列になっていた。最終的には、3000人ものファンが集まったという。行列のそばを、次々と喪服姿の選手達が通りすぎていく。「あ、○○選手だ」「××君だ」とささやく声はあっても、さすがに歓声はあがらない。

18時15分開場。椅子が数百脚並べられていたが、全て選手・親族用。一般参列者はロープの後ろで「立ち見」だった。会場後方にはユニフォームなど愛用の品々、一枚の油絵、左方には後援会の横断幕が展示されていた。

祭壇には大きな「FUJII 15」のユニフォーム、遺影、沢山の百合の花。祭壇右方にはパネル十数枚と藤井さんの生前のメッセージ。左方の大型スクリーンでは、ありし日の勇姿や名場面がVTRで流れていた。1999年日本一の祝勝会のインタビューまで(笑)。BGMは「いざゆけ若鷹軍団」のケルティックバージョン。非常に物悲しい。

19時過ぎ。ヒーローインタビューのVTRを合図に、式が始まった。王監督の挨拶、小久保選手会長の挨拶、親族代表(藤井さんのおじさん)の挨拶。続いてファン代表のメッセージが紹介された。「私は趣味で絵を描いてますが、この度藤井投手の肖像画を描きました。ぜひとも親族の皆様にさしあげたい」という内容だった。そしてこの絵は、今日会場後方に展示されているとのこと。…ひょっとして、あれか!??

そして藤井さんからの、生前のメッセージが読み上げられると、あちらこちらからすすり泣きが漏れてきた(藤井さんのメッセージは各媒体で紹介された他、公式ページhttp://www.ado.ne.jp/~fujii/に掲載されているので、そちらを参照されたい)。

最後に、親族代表、球団関係者、そして選手達による献花。BGMに、ホークスメッセージソング「白い心」が流れ始めた。

驚くほどに、シンプルな儀式であった。献花終了後、一般参加者の参拝が始まった。3000人もの人達は、しかし混乱を起こすことなく、厳かに祈りを捧げていた。私もその一人だった。参拝後、展示物を拝観した。先ほど紹介された、ファンの方の油絵も改めて見た。そこには淡い紫色を基調に、胴上げシーンの向こうで愛らしく微笑む藤井さんがいた…。

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