嗚呼、花の観戦記(なんだいそりゃあ)

           (東京都・かねこ たつや) 

10月某日開催された「日本シリーズ・ユネスコ村バックドロップス対鈴木酒店親族一同」の第99戦の観戦レポートです。ここまでの対戦成績49勝49敗と全く五分で迎えたこの一戦、日本シリーズ史上稀に見る、いや初めての大接戦。

そんなシリーズに決着をつけるべく行われた最終第99戦の試合内容の前に、それまでの経過を書いておきたいと思う。

先ずは第13戦、鈴木酒店親族一同(以下、酒)の先発、鈴木貴が完全試合を達成した試合。本来右投げの鈴木貴が、気分転換で左に変えようとしてやっぱヤメ、いやしかしやっぱ左、でも右もいいよね、捨て難いよね。と色々思案した結果両方で投げりゃいいじゃんと、両投げで挑戦したら思わぬ完全試合。

ここでは勢いに乗って一気に行くかと思われたが監督、鈴木清の「貴の奴スゲエな。よし、明日からもずっと先発な」の言葉でこの先31戦目まで投げ続けるハメに。そして案の定肩ぶっこわれ、球界にとっても惜しむべく結果になってしまった。まあその間あと4度完全試合をやってのけた鈴木貴はそれでも満足だったのかも知れないが。

一方のユネスコ村バックドロップス(以下、ユネ村ップス)も42戦目頃から破壊力を見せ始める。その42戦目、1回表からユネ村ップスの打線が爆発。一番田中が先ずフランス料理に舌づつみを打ち、二番岸本のトゥシューズに画鋲が仕込まれ、三番前川が元ジャニーズ事務所に所属していたことが発覚しあっさり先制。

その後も四番野元の弟はカウボーイになりたいと星に願いをかけ追加点。3回表、三番前川が養子縁組みをして新姓大橋になり、そのチャンスを五番池澤が新ネタを披露して中押し。途中マリスミゼルのメンバーの誰かが僕に電波で話しかけてきた様な気がしたが、ユネ村ップスは攻撃の手を緩めることなくこの試合圧勝。

その後ペットのセキセイインコの死、キャッツアイに牛乳1パック盗まれる、タモリのグラサン黄色に変色、京葉線が事故で遅れるなど一進一退の攻防が繰り広げられつつ今回の試合に至ったわけです。   

では99戦の観戦レポートを改めて。

この試合、開始前にお隣さんからボヤ騒ぎが起き、開始時刻が1時間半ズレ込むというアクシデントがあったがなかったことにしてプレイボール。

まずいきなりの先発鈴木浩、ユネ村ップスの先発西田が共に乱調で捕まってしまう。序盤3回が終了して37対29で酒が8点のリード。しかし現代野球の8点差などあって無いようなモノ、ボジョレーヌーボー解禁に乗じてユネ村ップスの反撃。

この日七番レフトでスタメンの有坂が犯人逮捕を協力して警察から賞状と金一封を貰うと、続く八番尾形がサザンの勝手にシンドバットを熱唱。九番代打渡部がベルマークを集めてまずは1点。 この勢いは止まることを知らずこの回一挙80点のビッグイニング。

必死で追い上げようとする打線だが8回からユネ村ップスはリリーフエース水野を投入。40点程返されたがそこはセーブ王水野、要所はキチッと抑えそのままゲームセット。ユネ村ップス170年振りの日本一に輝いた瞬間でした。  

MVPのユネ村ップス久保寺は「優二は38度の熱があるので今日学校休みます」と電話で喜びのコメントを残した。そしてグラウンドで本マグロを胴上げするユネ村ップスナイン、感動でした。も、レギュラーを27人も欠いての戦いでよく頑ばりました。ともかく優勝日本一おめでとうユネ村ップス! 

まあ来年はこの両球団合併されるんですけど……。       

全部嘘じゃ。当り前ですわな。

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