『捕手論』
(織田淳太郎・著/日本経済新聞社)
(岡山県・おぐらだいすけ)
これはプロ野球の捕手に焦点を当てたものである。
兎角勝負の裏にはバッテリーが重要な役割をになっているのはわかりきったものではあるが、どのような過程を経ているのかといったことには関心が向いてないのが現状では無かろうか。
プロローグで捕手といった当代きっての名捕手たちに直接インタビューを交え、技術論、審判との関係、森監督を代表としてその処世術にも触れ、その奥深さを余すところ無く伝えている。
しかし、何といっても「嫌な場所、嫌な職業の中で喜びを見つけた人間が、結局成功するんだと思うよ(同書・堀内恒夫)」という言葉が至言であるといえよう。