「戦」と「誠」と「江頭2:50」に関する調査
(千葉県・おかピー)
2005年にロッテは,ユニフォームを変更した(発表は2月22日)。ホーム用は1995年から使用している,黒いピンストライプのモデルに加えて2種類が追加された。ビジター用もモデルチェンジされた。
ホーム用に追加されたシャツのデザインは、2004年にサンデーユニフォームとして使用されたデザインをマイナーチェンジし、背ネームを追加。これに白と黒のパンツを組み合わせで,2種類となる。
出色なのは,ホームゲームではこの3種類のなかから、当日の先発投手がその日に着用するユニフォームを選べるシステムを採用した事だ。メジャーでは既に多くの球団が行っているが、日本では初の試みである。
3月22日には,一般公募していたホーム用ユニフォームのネーミングが決定した。従来のユニフォームが「戦」,新ユニフォームのうち,白のパンツとの組み合わせが「誠」,黒のパンツとの組み合わせが「侍」と発表された。「誠」は,2004年のサンデーユニフォームが新撰組の法被と、幕張の浜に寄せる波がモチーフであることからの発想であると思われる。ファンの間では「法被」と呼ばれているらしい。
そこで,この3種類の使用状況ならびに勝敗との関係などを調べてみた。なお,2005年オープン戦の使用状況が不明であるため,以下の記事は原則として,公式戦に限定したものとする。
【2005年】
<戦>36試合 20勝16敗
<誠>31試合 18勝13敗
(他にポストシーズン7勝0敗)
<侍> 1試合 0勝 1敗
合計 68試合 38勝30敗
【2006年(前半戦終了時点)】
<戦>28試合 18勝10敗
<誠>17試合 8勝 9敗
(他にオープン戦6勝6敗1分)
合計 45試合 26勝19敗
【通算】
<戦>64試合 38勝26敗
<誠>48試合 26勝22敗
(他に13勝6敗1分)
<侍> 1試合 0勝 1敗
公式戦では「戦」のほうが,「誠」よりもかなり使用頻度が高く,勝率も良いことがわかる。しかし,プレーオフや日本シリーズ,アジアシリーズ,2006年のオープン戦ならびにオールスターでは「誠」を着用している。「誠」のほうが重要性が高いのだろうか?(この辺りに詳しい方がいましたら,筆者に教えてください)
いま一つ注目すべきは,「侍」が着用されたのは1回だけであるという点だ。2005年5月14日の対ヤクルト戦である。この日は,先発のセラフィニが6回でKOされ,3−11と大敗した。ちなみに2005年の主催68試合で,2ケタ失点はこの試合のみであった。
なお一部に「侍」は,芸能人の江頭2:50の黒タイツを連想させるという声がある。この日の試合は1時開始のデーゲームであったのだが,ヤクルト・リグスがセラフィニから試合を決定付ける3ランを放ったのが,奇しくも2時50分であった(続く土橋のヒットでセラフィニは降板するが,この時は2時51分になっていた。惜しい!)。
ホーム3種類のユニフォームは,先発投手が選ぶことを先に述べたが,筆者はこの点に引っかかり感じていた。というのは,負けた次の試合のユニフォームはかなりの確率で変更されているような気がしたからだ。気がしたというだけでは意味がないので,調べてみた。
【2005年】
戦で負け,誠に変更 15試合
誠で負け,戦に変更 9試合
誠で負け,侍に変更 1試合
侍で負け,戦に変更 1試合
変更あり計26試合
戦で負け,次も戦を着用 1試合
誠で負け,次も誠を着用 3試合
変更なし計 4試合
【2006年(前半戦終了時点)】
戦で負け,誠に変更 7試合
誠で負け,戦に変更 8試合
変更あり計15試合
戦で負け,次も戦を着用 3試合
変更なし計 3試合
やはり,かなりの確率で変更されていることがわかる。変更されなかった計7試合に共通する事項は,いずれも次の試合までに,ビジターゲームをはさむなど間隔があるということだ。つまり,これまでは連戦で負けた翌日の試合では必ずユニフォームチェンジが行なわれている。
では逆に,勝った試合の次の試合では,縁起をかついで同じユニフォームを選択しているのだろうか。調査結果は以下のとおり。
【2005年】
戦で勝ち,次も戦を着用 15試合
誠で勝ち,次も誠を着用 9試合
変更なし計24試合
戦で勝ったが,誠に変更 5試合
誠で勝ったが,戦に変更 9試合
変更あり計14試合
【2006年(前半戦終了時点)】
戦で勝ち,次も戦を着用 17試合
誠で勝ち,次も誠を着用 8試合
変更なし計25試合
戦で勝ったが,誠に変更 1試合
変更あり計 1試合
2005年はそうした傾向は見られないが,2006年になってそのような兆候があらわれたことは,興味深い。
以上の調査結果から,先発投手が自分の好みだけでユニフォームを選んでいるわけではなさそうだという感じがしてきたが,先発投手ごとの着用状況を示す。
【2005年】
小野 8試合(戦1,誠7)
加藤 4試合( 3, 1)
久保 8試合( 6, 2)
黒木 1試合( 0, 1)
小林宏 13試合( 8, 5)
清水直 10試合( 7, 3)
セラフィニ10試合( 4, 5,侍1)
手嶌 1試合( 0, 1)
渡辺俊 13試合( 7, 6)
【2006年(前半戦終了時点)】
小野 7試合(戦5,誠2)
加藤 2試合( 1, 1)
久保 7試合( 5, 2)
小林宏 5試合( 5, 0)
清水直 9試合( 6, 3)
成瀬 4試合( 0, 4)
バーン 2試合( 0, 2)
渡辺俊 9試合( 6, 3)