あゝ、まぼろしの? 「ベースボール 居酒屋 神田ドーム」
(東京都・むさし)
その店の存在を知ったのは、なかむら治彦氏の当サイト掲示板への以下の書き込みからだった。
ドラにマジックがついたり、イチローが欠場したり、なんだかんだの8月のギムナジウム。イミなし。やや錯乱ぎみかも。かんだといえば、神田の居酒屋「神田ドーム」に行ったことある人、いますか?<1999年08月25日(水)19時16分38秒>
私はそんな店の名前は初耳だったので、
「神田ドーム」ってどんな店なのでしょうか?<1999年09月04日(土)23時27分08秒>
というレスをつけると、すぐになかむら氏から
JR神田駅出口からすぐ近くのビル地下にある、居酒屋さんです。>むさしどの
店内は広くないのですが、プチ・ベースボールカフェといった造りになってて、生ビールを頼むと、ビールタンクを背負った店員のおねーちゃんが現れ、ジョボボボとジョッキについでいったりします。
もちろん夜はナイター中継も流してます。こないだ日テレの早朝お天気番組で紹介してたことのウケウリでした。ウケウリなので、店が神田駅のどっち口にあるのかは存じません (泣)。<1999年09月05日(日)04時30分14秒>
とのレスが返ってきた。「これはなかなか面白そうじゃん、じゃあダラ球会でいっぺん行ってみよう」という話になり、9月29日にふさくん、かねこくん、たけがわさんらと行くことにした。さらに当日、浦和市営球場の二軍戦で偶然に会ったMIHOさんも急遽メンバーに加わり、午後5時すぎに、いざ「神田ドーム」へ。
場所はJR神田駅西口の前にある「西口商店街」の看板を過ぎたすぐ左側にあった。ホントに「駅からすぐ」。
間口の狭い階段を降りると、「自動券売機」が有る。どうやらここで「食券」を買わなければいけないらしい。そこで「300円分」が10枚綴りになった食券を3000円で購入。まるで「社員食堂」みたいなシステムだ。
ちなみに食券の種類は「300円券」1種のみ。それもそのはず、メニューはすべて300円均一なのであった(メニューはこちら)。なお食券は、次回に持ち越しも出来るように、有効期限が翌年の3月31日までになっていた。
席に着いて店内を眺めると、マグワイア、ソーサ、野茂、イチローらのユニフォームが飾ってあった。しかもイチローのユニフォームは「マリナーズ仕様」だ。
そして上を見上げると、おおっ、天井がちゃんとドームの屋根のようになっている(笑)。そして床を見ると、マウンドやバッターボックスが描かれている。なかなか凝ってるねぇ。
また、テーブルにはサインボールが埋め込まれている。さらに一部の座席は球場にあるものと同じ、跳ね上げタイプである。
店員の服装は、2人いる男性がニューヨーク・メッツとシカゴ・カブス、女性が横浜ベイスターズのユニフォームを着ていた。そして客が来ると、「プレイボール!」と声を上げていた。
とりあえず「生ビール」を注文。他にキムチ、枝豆、煮込み、ポテトサラダなど。さて、注目の「生ビール」だが意外や普通にジョッキに入って出てきた。「ビールタンクを背負った店員のおねーちゃんが現れ、ジョボボボとジョッキについで」くれるんじゃなかったのか?
店員のおねーちゃんにそう聞くと、あれは非常に重いので、何かイベント(TV取材とかか?)がある時しかやらないそうだ。う〜ん残念。
店内にはTVがあり、なんと「スカイパーフェクTV」が入るようになっていた。この時点では、まだ他に客が居なかったので、「適当にいろいろなゲームを切り替えながら流して下さい」と店員にリクエストした。
「出来ればリモコンを貸してくれたら、こっちで勝手にチャンネルを切り替えますよ」とも申し出たが、これは却下された(笑)。
この日やっていたゲームは、横浜−巨人、ヤクルト−中日、広島−阪神、ロッテ−西武、日本ハム−オリックス、ダイエー−近鉄。そのすべてのカードを順に見ていった。
その後、ポツリポツリと客が入って来たが、わりとみんなすぐに出て行ってしまうようで、店内は「ドーム」と言うよりは「川崎球場」か「藤井寺球場」と言ったほうがよいのではと思うくらい非常に閑散としていた。ちなみに「収容人員」は27名である。
また、「制限時間が2時間」という旨が店内に書かれていたが、この客の入りならば何時間居ても問題にならず、その後3000円の「食券10枚綴り」を2回買って、結局4時間くらい飲み食いをした。
帰り際にみんなで、「この店面白いけど、こんな客の入りで大丈夫かなぁ〜」などと話していたら、しばらくしてMIHOさんから、以下の書き込みが……
えっと、「神田ドーム」閉店しちゃってました。じつは土曜日に「日本シリーズやってそうなところ」ってことで行ってみたら張り紙が!「10月12日より店主の都合でしばらく閉店します」やっぱりな。<1999年10月25日(月)14時37分10秒>
やっぱりねぇ〜。ちょっと「マニアック」過ぎたのかなぁ〜(泣)。「食券」を残さないで使い切っといて良かったよ(笑)。
果たしてこのまま「まぼろし」となってしまうのか「神田ドーム」!
<追記>
さて、その後の「神田ドーム」についてヒデヨシさんから掲示板に以下の書き込みがありました。
神田勤務となって半年が経ち、勤務当初からきになっていた「神田ドーム」を調べてここにたどり着きました。
冬の間、ずーっとシャッターが下りたままで「何をやっているのだろう?」と思っていたのですが、どうやら私が見かける少し前には「当分休業」の張り紙があったのですね。
その神田ドームですが、復活しています!! おそらく、プロ野球のオフシーズンは休み、開幕と時を併せて復活したのではないでしょうか。<2000年06月16日(金)13時21分38秒>
そこで、さっそく私は7月14日に、復活した「ベースボール居酒屋神田ドーム」に行ってみた。
店に着いたのは18時ちょっと前。階段を降り店に入ると、何やら年配の店員とおぼしき方々が入口付近で話をしており、なんとなく入りづらい雰囲気。そこで一応、「営業してますか?」と聞くと、「しています」ということなので中へ。
店内の内装(5000万円かけたらしい)はそのままだったが、食券制は廃止されていた。別の若い店員に聞いたところによると5月初旬から営業を再開したそうだ。何で今まで閉まっていたかというと、やはりオフシーズンだったからだそうである。
まずは瓶ビール(中瓶・450円)を注文。するとつきだしに枝豆が出てきた。メニューは以前と違い、300円均一では無くなっていた。そこでカラあげ(450円)を注文する。
なお、野球中継がもう始まっているはずなのに、店内のテレビではフジテレビのニュースが流されていた。そして18時5分くらいになると、ようやくCSの巨人−ヤクルト戦が映し出された。
ちなみに店員が、従来から居た若いバイト(高橋由のユニフォームを着ていた)と年配の人たちと2種類いた。これはどういうことかというと、元々この店はオーナーが副業として趣味で始めたものだったのが、オーナーの母親が自分のやっていた小料理屋がつぶれてヒマになったため、この店に乗り込んできたためとのこと。そして小料理屋の従業員を引き連れてきたらしい。
そこで今までのバイトは今日かぎりでクビになるそうである。そしていずれは小料理屋になるのではとの話だった。そんな状況のため、最近はオーナーも店に姿を見せなくなったという。(以上、聞きもしないのにバイト君が勝手にしゃべってくれた)。
その後、レモンハイ(350円)を追加注文。するとサービズで「ゴボウこんにゃく」を付けてくれた。結局19時過ぎまでいて、お勘定は1680円であった。
他の客は常連とおぼしき若い男女6人(全然野球中継は見てなかった)とサラリーマン風2人(こちらは店内に飾ってあるバットなどを眺めていた)がいた。
ということなのでせっかく復活した「神田ドーム」だが、近日中に無くなってしまうかもしれません。