『プロ野球「毎日が名勝負」読本』      

 (オフサイド・ブックス編集部・編/彩流社)

(埼玉県・あおい卓美)

プロ野球に詳しい人なら、「10・19」は10月19日の出来事だと知らない人はいないだろう。だが、「江川の空白の一日」は何月何日だったのか、宇野選手のヘディングは何月何日で、エモヤンの「ベンチがアホやから」発言があったのはいつか、まで諳んじている「濃すぎる」野球ファンはそう多くはあるまい(いや、ダラ球会の皆様の発言を読んでいるとそうとも言い切れないのが怖い・汗)。

簡単に言えば「今日は何の日」ということで、昭和9年から平成12年に至るまで起こったプロ野球の出来事を4月1日から3月31日まで日付順に並べられたクロニクルである。

最初から最後まで続けて読めばすごく読み応えがあるし、活字をあまり目に入れたくない疲れた日でも短いコラムの集合だから好きなところだけ読めばいい。硬軟取り混ぜたエピソードの選択もなかなか。

笑わせるものでは、「野茂"抜く"こと覚え・・・」という某お笑い投稿本のパクリから、阪神ファンはどうあるべきかという自虐的エッセイまで。

そして、なんともやりきれない気持ちで読んだ「森安敏明、死去」やら、まだ記憶に新しい「津田最後の登板」まで、野球は人生の縮図だという思いを新たにできること請け合いの本である。

ところで、昭和50年9月14日、広島のシェーンがユダヤ教の「安息日」ということで試合を休んだということだが、それは「ヨム・キップールの日」か「過ぎ越しの祭り」のことだろうか?(間違っていたらごめんなさい)

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