大阪ドーム桜花賞ツアーレポート

(千葉県・おかピー)

ある日中央競馬の日程を見ると、桜花賞が4月9日に組まれていた。「誕生日に桜花賞か…。これは神様が阪神競馬場へ行けと言っているのだな」と解釈した私は今回のツアーを敢行した(ウソ)。

4月7日(金曜日)

朝5時起きで千葉県の自宅を出発。前日は神宮でナイターを見て来たのでほとんど寝てない。新幹線で多少睡眠。無事、大阪ドームの最寄駅・大正に10時30分に到着。ホームで近鉄バファローズの日程ポスターを2種類目撃したのでさっそく撮影。結構このポスターはかっこいいと思う。


もう1種類は中村紀洋

10時45分には大阪ドーム内に。入場は3番ゲートから。バックネット裏の一部の席(17列112番席よりも内側)のみが開放されていた。

試合中はスコアをつけるため、試合開始までの15 分の間に写真撮影&球場探検。スカイAで中継されるこの日のナイターの解説・皆川睦雄氏がすぐ後ろに座っていたので皆川さんも撮ろうかと思ったけれど、オーラが出ていたのでシャッターを切れなかった(笑)。


試合前のミーティング


球場コンコース

スタメンを確認するためスコアボードを見ると、中日のマークが昔のもの(筆記体のD)だった。先発は近鉄・ツイドリー、中日・山田洋。近鉄のスタメンはツイドリーの他に新外国人のエイバッドが四番に入っていたり、一軍選手の前田がスタメン出場していたりとやや優勢だった(中日も三番に李が入っている)。

野手で目立ったのは前述のエイバッドと前田。エイバッドは5回の二死二塁の打席で痛烈なファールを放ち、引っ張った時の打球の速さを見せた(中日バッテリーもビビったのかこの打席は四球)。前田は2点三塁打を含む3安打と打撃も良かったが、盗塁や好守が印象に残った。

ところで大阪ドームの親子試合には「試合開始2時間半を経過したイニングで打ち切り」というローカルルールがある。

8回裏、近鉄はこの回から登板の中山を攻め、代打・村上の押し出し四球で決勝点が入った。この時点で既に2時間半が経過していたので球場全体に「終わった〜」という空気が流れたのだが、試合は続けられた。今年はどうやらローカルルールは適用されないらしい。

なおこの試合では近鉄のドラフト1 ・2 位指名の宮本、高木両投手が初めて登板。高木は1点失ったものの両投手とも、まずは無難なデビューを飾った。

 
中日
近鉄

試合終了後は地下鉄で宿泊先へ移動。そして、ひと息つく間もなく再び大阪ドームへ。試合開始時間が迫っていたのでひょっとしたら駅前は混雑しているかな? という思いで大正駅に到着。人出はまばらながらも駅前のスクランブル交差点には交通整理の方々がいた(昼間はいなかった)。

マリーンズのファンクラブに入っているので、ビジターチームFC割引券を購入して球場内へ。入場と同時にラッキーカードをもらう(この日は水口のカード)。三塁側2階内野自由席に座り観戦。

前田、エイバッド、金子審判が昼間の試合に続いてスコアボードに名を連ねていた。3者ともポジションが同じ(順にショート、DH 、三塁塁審)だった。

先発は近鉄・ウォルコット、ロッテ・黒木。開幕投手同士の対戦となった。先に崩れかけたのがウォルコット。2回までに被安打5、3点を失う。傍目に見ても迫力がなく、なんでこんなピッチャーが開幕投手なのかな? と思ってしまった。

一方の黒木は3回、先頭の水口を歩かせてから雲行きが怪しくなり、中村ヒットのあとローズにガツンとライトスタンドに持っていかれた。4回にはこれまでの打席では打てそうもなかったエイバッド・川口・山下にも連打を食らいこの回6失点でKO 。エイバッドに打たれた辺りからは抑えられる気がしなかった。

「この試合の結果はどうでもいいけど、黒木が心配だな…」と思いつつ見ていたら5回表、福浦・堀の連打であっさり2点を返した。これは乱戦になりそうな予感…

ところで私の座った席の周りはガラガラであったのだが、前方に熱狂的なファンがいた。

「ロッテの野球はツーアウトからじゃ〜」「Let ’s go Barry ,wow wow wow wow!」「ロッテは武士道精神じゃ〜」(最初は「虫の精神」に聞こえた。私の耳が悪いだけか?)などといった独自のフレーズを繰りかえし叫んでいて、ヒマそうにしていた係員も見に来るほどだった。

なかでも「ミラクル」という言葉が好きなようで「ミラクルタイム、ミラクルタイム(ミラクルなタイムリーヒットの意)の連発には「ミラクルタイムって4歳の春で燃え尽きた馬だよな〜」などと小声でつぶやいてしまった。

熱狂的ファンの後押しと近鉄の継投の失敗(同点の場面で廣田投入はないだろう)のおかげ(?)でロッテは9回表についに逆転。その裏はウォーレンがガッチリと抑え、今季初勝利と相成った。


ミラクルタイム、一着でゴールイン

 
ロッテ 10 18
近鉄 11

4月8日(土曜日)

9時に宿泊先のホテルを出発。向かった先はウインズ(場外馬券売場)梅田。ここで1レース(10時5分の発走)の馬券を購入し、地下鉄で難波の大阪球場跡地(早いハナシがウインズ難波)へ直行。ゆっくりとメインレースの予想をする。

ウインズ難波のB館・C館が大阪球場の外野通路にあたる。大阪球場は98年秋から解体作業が始まっていて、この日時点で残っていたものは外野スタンドの一部とスコアボードだけだった。


外野スタンド外観


スコアボードはウインズA館と一体化

次いで地下鉄を乗り継ぎ弁天町の「交通科学博物館」へ。目的は企画展「鉄道とプロ野球」(4月23日まで)。とりあえず中の様子を撮影。気になったことは入口の球団旗の並び順である。多分昨年の順位を反映したものだと思われるのだが…


企画展の入口。左から2、3番目に注目!


展示品は球団によりまちまち

企画展は鉄道会社を母体に持つ球団(阪神、西鉄・西武、近鉄、阪急、南海、東急、国鉄)の各種資料の展示がメインであった。特に現存する球団のものは豊富で、ユニフォームや野球用具に加え、優勝記念乗車券や野球ダイヤグラムなどが置かれていた(反面、東急などは路線図ぐらいしか展示品がなかった)。また企画展ブースの隅では昭和26年の国鉄・金田の登板ビデオが放映されていた。

ところで南海のブースには山内孝徳のグラブが飾ってあったのだが「麦魂」という刺繍が入っていた。これって何?

その後、館内をざっと見て(環状線のドアの開閉が体験できるアトラクションが面白かった)今日も大阪ドームへ向かう。

13時前にドームに到着したらまだ開門前だった。せっかくなので「アリーナビューレストラン」へ。これは大阪ドームの4階(上段席と下段席の中間)バックネット裏にあるレストランでその名の通り、球場が見渡せる構造になっている。

試合開始2時間前だったので大阪ドーム係員のBuストレッチ(5回裏終了後にやる体操)の練習を見ることができた。ちなみに試合が始まるとここへの入場には別料金がかかるらしい。

球場正面ではファンクラブの会員募集をやっていたが、そこでうわさの選手フィギュアを発見!


個人的にはクラークのが欲しい

左から大塚、ローズ、中村、クラーク。これは継続会員ならびに来場ポイントがたまった会員にプレゼントされるものであるのだが、市販もして欲しいな。

ついでに側に置いてあった案内書を見た。すると今年の近鉄ファンクラブは年会費が3000円で、主な特典がメッシュユニフォームと自由席入場券3 枚のプレゼントとなっていた。さらにファームの入場が無料とのこと。今回見た3 試合合計のチケット代は4400円だったからかなり惜しいことをした。

教訓→「ファンクラブにはファンでなくても入っておこう(笑)」。

昨日とほぼ同じ席に座る。試合前に文楽(大阪発祥の伝統芸能)人形による始球式が執り行われた。人形遣いの人(吉田さん)がボールを投げたが、見事に捕手まで届いたので球場が沸いた。

先発は近鉄がヤクルトから急遽トレードでやってきた田畑、ロッテが小野。田畑は緊張からか1回こそバタバタしたもののその後は無難に抑え、小野も序盤から飛ばし5回まで0−0。しかし6回、ロッテはボーリックにホームラン、近鉄は水口にタイムリーが出て両チームに1点ずつが入った。

土曜日のデーゲームにも拘らず、球場は閑散としていた。その中でひときわ目立ったのは外野上段席の「黒の軍団」ロッテ応援団。ちなみに近鉄応援団は外野下段席にいた。

大阪ドームでは近鉄の選手が打席に入るときにテーマ曲(例、礒部→「バンビーナ」。的山→「水戸黄門」のテーマ)が演奏される。大村のは「SAMBA DE JANEIRO」だったので、流れるたびに「黒の軍団」は「タチカワ!」コールをしていた(立川のテーマ曲なので)。


レフト上段席のみ観客が多い

しかし試合はそんな熱心なファンを嘲笑うように進む。7回裏無死一二塁で川口のピッチャーライナーを処理した小野が二塁へ悪送球。さらにそれをフォローしたセンター諸積もサードへ悪送球をして近鉄に勝ち越し点が入った。これで均衡状態は崩れ近鉄のムードに。

ロッテは8回表、香田になんとなく抑えられ9回も、と思っていたら近鉄は香田に代え大塚を投入してきた。これは裏目に出てロッテが土壇場で同点に追いつく。だが6度も先頭打者が塁に出ながら2点しかとれないロッテが勝てるわけもなく、11回裏二死二塁の場面で「バンビーナ」礒部にサヨナラ2ランが出てゲームセット。

  10 11
ロッテ
近鉄

4時間を超える長いゲームだったので外はすでに暮れていた。試合後ドーム周辺を探索しようと思っていたのだが時間的に厳しくなり、ショップバフィ(球場外にあるグッズ売場)にだけ立ち寄る。目的はラッキーカードの引換え。

ただ今日のカードは中村紀洋(結構気に入っている)で、賞品は「大阪ドーム内野自由席ペアチケット」だったから、カードと交換なら賞品はいいやと思い、ショップ内にある引換所まで行ったら、カードの裏にハンコを押して引換えてくれた。

4月9日(日曜日)

7時に宿泊先を出て阪急梅田駅へ。途中のコンビニでスポーツ紙を買う。一面は桜花賞? 巨人戦?
さすが関西。阪神か…。

 

 

 

記事の内容は大豊に通算250号本塁打と通算1000本安打が出て広島に勝ったというもの。参考までに大豊の写真横に書かれているリードを以下に記す。「私より何倍も打った大先輩がいる中、250号はたいした記録じゃないかもしれない しかし、大豊にとって、汗、涙、努力の結晶と思いたい」プロ野球39人目の記録だそうだ。

そんな記事を読んでいるうちに仁川駅に到着。人の流れに沿って阪神競馬場へ。


阪神競馬場の入場門へ続く通路入口

第1レースが始まる1時間半ほど前にもかかわらず席はほとんど埋まっていた。ただ1人分の席には多少空きがあったので荷物を置いて座席を確保。

阪神競馬場は自由席でも屋内にあり少々息苦しい。屋外にも若干の座席があるが、その席からだとコースが一部しか見えないし、混雑してくると前が見えなくなる可能性がある。オープンエアで見晴らしのいい東京競馬場のようなスタンドが1番だなと思う。その後は場内をいろいろと見て回り時間をつぶす。

桜花賞出走馬の人気(前売りオッズ)はここまで4戦4勝のサイコーキララが断トツで、以下武豊騎乗のエアトゥーレ、岡部騎乗のレディミューズ、前走でサイコーキララの2着シルクプリマドンナが続いているという状況。私の狙っているフューチャサンデーは5番人気だった。

桜花賞に強いタイプは、@連対率5割以上、Aマイル実績あり、B阪神コース経験済み、C前走がチューリップ賞か4歳牝特、D関西馬といったところ。圧倒的人気のサイコーキララはその全てを満たしていた(フューチャサンデーは@、Aのみ)。ただサイコーキララは騎手が実績の乏しい若手の石山騎手だったのでそのあたりにツケいるスキありと思われていた。


4コーナー付近の桜は5分咲き程度

今回騎乗のない桜花賞男(過去の桜花賞に良績を残す)河内騎手がターフビジョンで「まもなく発走です」と宣言し、ファンファーレが鳴りレーススタート。人気のエアトゥーレが大きく出遅れ、場内が沸く。フューチャサンデーもそのあおり(エアトゥーレの隣の枠だった)を受けたかやや出遅れた。

戦前、レースは強力な逃げ馬が不在で、ペースが落ち着くだろうと思われていたが、1000メートル通過が58秒台と例年の桜花賞と変わらないペースだった。ということは位置取りによる有利不利がなく、実力どおりの決着になることが予想された。が、エアトゥーレを初めとした有力馬の位置取りはかなり後方で届かない可能性もあった。

果たして、直線を向いても先行グループの有力各馬の脚色はさほど鈍らず、後方グループはほぼ全滅。私の本命・フューチャサンデーはまったく見せ場なく18頭立ての15着に終わった。桜花賞が終わると同時に席を立ち、混雑しないうちに駅に向かおうとしたのだが、結構やられた人が多かったのか、既に通路は人で一杯であった。

第60回桜花賞成績
着順 枠番 馬番 馬名 騎手名 タイム 着差 人気 単勝オッズ
1 4 8 チアズグレイス 松永幹 1.34.9   E 15.9
2 6 11 マヤノメイビー 35.1 1 1/2 F 18.4
3 2 4 シルクプリマドンナ 藤田 35.1 アタマ B 8.0
4 7 13 サイコーキララ 石山 35.2 1 1/2 @ 1.8
5 1 2 サニーサイドアップ 四位 35.4 1 1/4 G 41.8

単勝G1590 円 複勝G380 円 J530 円 C240 円 枠連C−E7130 円
馬連G−J8010 円 ワイドG−J2060 円 C−G1200 円 C−J1550 円

6時過ぎの新幹線で帰宅。この時間はかなり需要が多いようで、新大阪始発にもかかわらず席を確保するのが大変だった。途中の名古屋駅のホームにもたくさんの人が並んでいたが、座席がないとわかると乗車を見送る人も多かった。次回の名古屋遠征では注意しなければ。

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