5月3日 ロッテ−近鉄
(千葉マリンスタジアム)

(千葉県・ふさ千明)

朝起きて顔を洗うべく眼鏡を外したら、眼鏡が壊れた。これから試合だというのに縁起が悪いなぁ、などと思っている場合ではなかった。私は眼鏡がないとほとんど何も見えないので、慌てて眼鏡屋に向かう。

20分ほどで修理は済んだが、そのため予定が大幅に狂いこのままでは集合時間に間に合わないので、やむなくタクシーで駆けつけることにした。球場に足を運ぶようになってずいぶんになるが、タクシーで向かったのは初めてである。

「千葉マリンスタジアムまで!」と飛び乗る。するとGW中ということもあってか渋滞がひどい。最初は「ディズニーランドですかね?」などと言っていたが、球場に近づいても一向に空かないどころかかえって混んでくるため、「今日はロッテ戦ですよね?」と運ちゃんに何度も確認される。

球場近くのプリンスホテル前に来たところでどうにも動かなくなり、降りて走ることにした。待ち合わせ時間に少し遅れて到着。既に他の3人は来ておられる。慌ててチケットを買い、中へ。

内野自由席2階は、混んでいるとは言え4人が座るには何ら支障がない。この辺はマリンスタジアムの気楽さか。座って正面を見れば、センターポールには翩翻と鯉のぼりが、折りからの強風に煽られて、ハタハタとはためいている。

「あれ、縦に3つだからいいけど、横に3つだと鰯やで」とはすみこさんのコメント。

先発はM川井、Bu山村。展開を予想しにくい2人である。混んでいるので早めに食料を調達に出ることにした。この日、新名物石井浩郎弁当が売り切れていたため(何と千食が用意されていたそうだが、試合開始前に完売)、影の名物と私が勝手に決めたホットドッグコンボにする。

ホットドッグにポテチとコールスローが付いて450円と、球場内としては割安。しかもトッピングと味付けはお好みによって選択できるのも高ポイント。私はいつもマスタード多め、ピクルス&オニオン載せにしている。席に戻ってオーダーを見ると、近鉄の7番に「鷹野」の名が。「鷹野?」「誰?」「なんかダイエーっぽい名前だね」

また、掲示板ではサブローになっているが、じつは両チームとも「9番センター大村」になっていると気付いた。「イワイワオ〜」で有名な55番のほうだったらすぐ気が付いたのだが。

空は透き通る青さで、非常に気持ちがいい。日が陰るといささか肌寒いが、それすらさして気にならなかった。今年もやってきた、野球の季節だ。

1回、2回は0と0。2回裏、近鉄はヒットとフォアボールでチャンスを作るも、立てつづけにキャッチャーフライを上げてしまう。「タイミングあっとらんのかな?」センターからホームへと吹く強い風も、影響しているようだ。

このチャンス時、レフトスタンド最上段に近鉄の赤いタオルを持ってぐるぐる踊っている一団を発見。「河内の伝統芸能みたい」に見えた。

3回裏。先頭のサブローが二塁打。小坂のゴロを二塁の水口が処理を誤り、サブローは一挙ホームへ。小坂は盗塁を決め、続く堀がセンター前に返して2点目。3番バリーは2ゴロに終わると、早々と大塚に交代されている。「守備がため?」「早いがな」まぁ、ここまで打率1割台ではなぁ、と納得する。

代わった大塚が1安打1四球だったりするので余計に。5回表。話題の鷹野がレフト前へ運ぶ。的山が倒れたあとに大村が送った。水口がキッチリセンター前へ。近鉄1点を返す。

これまでの川井は、悪くなかった。不安があるとすれば、前回の登板でも5回に捕まっていることか。「5回もたんのかなぁ‥」つぶやきが消える頃、川口の打球がセカンド堀のミットに吸い込まれる。「アウト!」マリンスタジアムが、湧いた。

その裏。サブローが2安打目をセンター前に叩く。それを小坂がセーフティ気味に送ると、堀・大塚と連続四球。「レッツ・ゴー、ボーリック」の声援が渦巻く中、期待に応えて2点タイムリー。6回から両先発に代わり、Mは武藤、Buは香田がマウンドに。

7回表、武藤は先頭の吉岡と続く川口にフォアボールを与えてしまうも、小林雅が出て後続を断つ。8回表、先頭の水口がセンター前、代打内匠の三ゴロで二塁フォースアウト。しかし続くノリぼん中村がセンター前。1,3塁となり、ローズショートゴロの間に1点。しかしここまで。9回ウォーレンが抑えてゲームセット。

終了後、参加者全員で海浜幕張駅前の「サイゼリア」にて歓談。試合時間とどっちが長かったかは、ご想像にお任せしたい。テンポ良い試合展開といい、気持ちの良い気候といい、ホームランこそ出なかったが私的には申し分ないゲームだった。こういう試合を見ると、球場に向けた足どりが軽やかになるのだが。

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