3月29日 メジャーリーグ開幕シリーズ カブス−メッツ
(東京ドーム)
(東京都・むさし郷司)
歴史的一戦である。メジャーリーグの公式戦なんぞ、アメリカ大陸に行かなければ見れないと思っていたが、とうとう日本での開催が実現した。これは是非見に行かなければと思い、1月29日にチケット予約の電話をかけた。
しかし、いくら電話をしても繋がらない。結局3時間粘ったが徒労に終わった。そして他にチケット入手対策を講じないまま、あっという間にソールドアウトとの情報が流れた。
そして試合前日、「ダメ元」で東京ドームの前売券売場へ行ってみた。そうしたらヒッソリと目立たないようにではあるが、チケットを売っているではないか。ソールドアウトとの情報はいったい何だったのだろうか?
さらには、席種も全部揃っているようであった。「歴史的一戦」なので、S席で見たいという気持ちもなくはなかったが、なにぶん12000円は高い! そこで4500円ならまあ手頃だろうと思い、C席を申し込んだ。
すると「C席には二階席とバルコニー席がございますが、どちらにいたしますか?」ときかれた。そこでバルコニー席には今まで1回も入ったことがないので、それならばとバルコニー席を購入した。
入場券
さて、翌日。地下鉄で後楽園駅まで行き、駅ビル内の「ちよだ寿司」でいなりずし(3個入り)、「マクドナルド」でハンバーガー2個(平日半額)、コンビニ「生活彩花」で飲み物を購入して東京ドームへ。まずは「TO:DO」に寄り、公式プログラム(1500円)を買う。
そのあと正面広場へ向かうと、そこには特設グッズ売場が出ていたので、そちらも覗く。なお、売っていたグッズは以下の通り。
公式パンフレット | 1500円 |
記念Tシャツ(キッズ・アダルト) | 3000円〜 |
ポロシャツ | 4500円 |
携帯ストラップ・ネックストラップ | 1000円・1500円 |
クラッパーメガホン | 800円 |
キャップ | 3000円〜 |
ハンド・フェイスタオル | 800円・1000円 |
シャーペン&ボールペンセット(メッツ・カブス) | 各800円 |
キーホルダー各種 | 500円〜 |
ピンバッチ・缶バッチ | 各1000円 |
選手サインバット | 800円 |
記念公式球 | 3600円 |
公式パンフレットを、こちらで買えば「開幕シリーズ」用の袋に入れてくれたのにと少し後悔した(「TO:DO」で買ったら「TO:DO」の袋だった)。
特設グッズ売場
そして球場正面では、なんだか外人が大道芸をやっていた。これもアトラクションの一部なのだろうか。
球場正面
外人の大道芸
4時40分頃にバルコニー席の入口である「30ゲート」から入場。すると入口でベースボールカードをプレゼントされた。これは先着サービスらしい。カードはメッツのアルフォンゾ、ベンチュラ、ハミルトンの3枚が入っていた。
入場時に貰ったベースボールカード
(左からアルフォンゾ、ベンチュラ、ハンプトン)
さて、中へ入ると絨毯の敷かれたロビーあり、そこにはソファーとテーブル(灰皿付き)が置かれていた。またロビーの壁には、古いアメリカのベースボールカードのポスターが貼られてあった。なかなか豪華な雰囲気である。
バルコニー席のロビー(絨毯敷き)
これで二階席と同じ料金とは、大変「お得感」がある。このバルコニー席は「ジュニアスイート」といい、巨人戦では年間予約席になるが、日本ハム戦では一部が「アップルシート」となっていて、男女ペアでなら入れるらしい。
座席は、シートがバックネット裏の席と同じクッションのついたもので、しかも4人単位で区切られているので、非常にゆったりとしていた。ちなみに私の隣席の3人は外人だった。
そしてシートの前には、JRの特急列車の座席に付いているような網があり、そこには折り曲げればメガホンにもなるというメニューが入っていた。
ジュニアスイートのメニュー
(折り曲げるとメガホンになる)
ちなみにこのメニューの品物を「ジュニアスイート」専用のユニフォームを着た係員に頼むと、席まで持って来てくれるらしい(そのかわりにジュニアスイートには売り子は来ない)。メニューには「ジュニアスイートオリジナルホットドッグ」なんてものがあった。また、弁当も注文を受けてから温めたものを持ってきてくれるようである。
ジュニアスイート係員のユニフォーム
注文を受けるジュニアスイート係員
また、テレビモニターも他の席のように通路にあるのではなく、客席内にも設置されているので、シートに座りながら見ることが出来た(ちょっと首をひねらねばならないが)。ちなみに放映されていた映像は、フジテレビのものではなく、アメリカの「FOXテレビ」のものだった。
ただし難点は私の座った席は、真ん前にライトポールがあり、それがちょうどバッテリー間にかかってしまうことであったが(「第一工業」の看板の上にあたる)。
こんなふうに見えた
6時15分にスタメンの発表。この時はウグイス嬢による日本語のアナウンスのみだった。なお、この間に係員からおしぼりが座席に配られた(こんなサービスもジュニアスイートにはある)。そして6時35分頃にオープニングセレモニーが始まった。
まずは銀のスーツを着たバンドメンが登場。なんと「スカパラ(東京スカパラダイスオーケストラ)」ではないか! これはラッキーだ。スカパラの生演奏を聴くのは、1990年の武道館公演以来だ。メドレーで「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」、「セサミストリート」、「スキヤキ」などを演奏した。そしてその演奏に合わせてバトントワラーズなどが踊る。
そしてカブス選手の入場。まずは控え選手が出て来て、そのあと監督、スタメンナインがカブス専属のアナウンサーによって一人ずつ紹介された。続いてメッツ選手の入場。ちなみにこの間もスカパラの演奏が続いていて、「モンスターロック」などを演奏していた。
そのあとドリカムの吉田美和がアカペラで「星条旗よ永遠に」、「君が代」の順に歌う。ソウルフルにフェイクして歌う「君が代」というのもなかなか珍しい(笑)。
日米国歌を歌う吉田美和
そして着物を着た女性が5人出て来て、ソーサ、ピアザ、両監督、主審に花束贈呈を行なった。さらにハンク・アーロンによる始球式。これはちょっとヨソ見をしている間にあっけなく終わってしまった。
さて7時6分にいよいよプレイボール。先発投手はメッツ・ハンプトン、カブス・リーバー。ちなみにシカゴでは午前4時、ニューヨークでは午前5時である。この時間にアメリカでは、眠い目をこすってテレビ中継を見ているファンもたくさんいるのだろう。
さてグラウンドは、いつもの東京ドームとちょっと違う。バックネット前の人工芝には大きなMLBのマークが描かれてある。そして外野フェンスには両翼に「333ft.」、センターに「406」とフィートで距離が表示されていた。
1回表カブスは先頭のE・ヤングがフォアボールで歩くとすかさずスチール。そして2番のビュフォードのヒットで早々と1点を先制した。さらに3番グレースも死球で歩き、4番ソーサの登場。場内には夥しい数のフラッシュが光った。
しかし結果はショートゴロ併殺打であった。そして3回表に2打席目がまわると今度はフォアボール。場内にブーイングが起こった。
一方メッツは3回裏1死1、3塁から2番ハミルトンのレフト犠牲フライで同点に追いつき、好ゲームへの期待がふくらむ。しかし5回表にメッツ先発のハンプトンが乱れる。1死一塁からまずソーサにフォアボール。ここでまたもやブーイング。
そして続く5番ロドリゲス、6番アンドリューズにも連続フォアボールで押し出し。カブスは1点を勝ち越した。ハンプトンは3回表に続き、この試合2度目の3連続フォアボールである。
そして7回表、この回先頭のソーサはようやくプレシーズンゲームを含めての来日初安打をセンター前に飛ばした。そして1死後、アンドリューズがライトスタンドの最前列へ、記念すべき「ジャパンシリーズ第1号」の2ランホームランを打ち込んだ。
私はバルコニー席から身を乗り出して、ホームランの落下地点を覗き込むと、警備員がホームランボールを回収しているのが見えた。これはこのボールがクーパースタウンの野球殿堂に飾られるためである。
7回表が終わったところでカブスOBのアーニー・バンクスがグラウンドに出てきて、「セブンイニングストレッチ」の始まり。隣の席の外人は、さかんにまわりに「Stand up!」と言っていた。私もとりあえず立ち上がる。
そして会場には「TAKE ME OUT TO THE BALL GAME」が流れた。当然大友康平ヴァージョンではなく(笑)、英語である。でも大部分の観客は歌詞を知らないので、あまり歌声は聞かれなかった。
TAKE ME OUT TO THE BALL GAME
8回表カブスは2死後、グレースがライトスタンドへホームラン。ボールを取ったファンは大きく手をあげてホームランボールをかざした。このボールがファンがつかんだ初ホームランということになる。そして続くソーサはレフト線の二塁打。やっと調子が上向いてきたようだ。8回裏にはカブスは元・ダイエーのウイリアムズが登板。
このへんで場内が空いてきたので、ロイヤルスイートのすぐ近くの席まで移動する。ロイヤルスイートの中央にある貴賓席には皇太子夫妻をはさんで川島コミッショナー、ナベツネ、そして後には堀内恒夫の姿が見えた。ちなみに入場の際に、「サリン事件」以来のボディーチェックがあったが、これは皇太子が来ていたせいだったのだろう。
なお、この日の入場者数は「55000人」と発表された。メジャーなのでてっきり実数発表されるものと思っていたが、これは意外だった。
ロイヤルスイートの近くから見る
8回裏メッツは、ピアザがライトスタンドへ2ランホームラン。これで5−3と追い上げる。しかし9回裏クローザーのアギレラが最後の打者M・フランコを三振にとって試合終了。
ちなみにフランコの打席の場面でバレンタイン監督が、主審に何か抗議をして「提訴試合を条件に試合を再開する」というアナウンスがなされた。これはこの回からショートの守備についたヒューソンが両チームが交換したメンバー表に入っていなかったためのようだ。
試合後には、勝利投手のリーバーのヒーローインタビューが行われた。これは日本式の特別サービスだろう。メジャーでは、試合後のヒーローインタビューは普通はやらないらしい。
試合後のスコアボード
(画面はヒーローインタビューを受けるリーバー)
場外に出て夜空を見上げると、6月オープン予定の「東京ドームホテル」に「MLB」の文字が浮き上がっていた。また、メッツファンの外人が何やらはしゃぎながら警備員と記念写真を撮ったりしていた。
なんかジュニアスイートで見たせいもあるが、普段の東京ドームとはまったく別の空間で「BASEBALL」観戦を楽しんだという感覚の一日であった。
東京ドームホテルのイルミネーション
警備員と記念撮影をするメッツファンの外人