3月11日ウエスタン教育リーグ 阪神−オリックス
(阪神鳴尾浜球場)

(大阪府・こぼりあきら)

因みにこの日はユニフォームはまだオリックスのまま。ウグイス嬢も「ブルーウェーブ」と呼んどりました。でも、この項では「サーパス」と表記します。

試合に移ります。先発投手は井上貴朗と杉本友。先につかまったのは井上。2回サーパス先頭のぼくのイチオシ6番萩原が中前打で出ると、続く相川さんが、この日なぜかスタメンサードの新井君の絶妙のトンネルエラーを誘い、さらに次の8番日高の打球はピッチャー強襲、貴朗さんのグラブをはじき内野安打。

これで無死満塁となったところでラストバッター田中雅興がやってくれました。右中間を深々とやぶる走者一掃、先制の3点タイムリー大三塁打! その後トップに戻り嘉勢が倒れたあと、2番南渕のサードゴロの間に田中が還り結局この回貴朗さん4失点。サーパスははやくも5番河野と7番相川さんを除き全員安打。ひょえ〜。

で、タイガースの反撃は3回。この日スタメン捕手で元気な姿を見せてくれた8番仁君が一死から中前打、ラストバッター高山が死球で一、ニ塁とすると、1番ハマちゃん、2番寺田君の連続タイムリーで2点を返し4対2。

そして、目についたのが5回の攻防。まず、サーパスのほうは河野、相川ともに安打を放ち全員安打を達成した訳だが、何と、この回先頭の河野のほうは「ライトオーバーのシングルヒット」という珍しい記録となった。ま、打球が鋭かったのと、ライト曽我部さんの、クッションボールの処理がうまかったとはいえ、河野さえもっとまともに走ってたら2つはいけたはず。

これは偏に、河野がホームランだと思い込み、全力疾走を怠った怠慢プレーがまねいた珍記録だ。しかも、結局この回追加点はならなかったが、前述の通り相川さんにも安打が生まれていたため、もし得点圏に進んでいたら…。実は河野の凡走は、1点をフイにしただけでなく、後半の展開にも大きな影響を与えたのだった。

さて、その裏のタイガースの攻撃、ニ死から寺田君がエラーで出るも、続く3番新庄はセンターフライに倒れ、無得点だったのだが、その時、グラウンドにちょっとした異変が…。ふと見ると、一走の寺田君が二塁ベースを回った付近で何やら気まずそうにうずくまってる…。

そう、ちょっと前から降り出した小雨のせいもあってか、足を滑らしこけてしまったのだ。スタンドからは、爆笑の渦ならぬ、クスクス笑いの「苦笑の渦」がわきおこった。

あの時の寺田君を思い出すたびに気の毒で仕方ない。そういえば、寺田君を襲った(?)小雨のせいで、ぼくのスコアブックもくしゃくしゃになってきた。寒の戻りに加えて8日は風でこの日は雨。ほんと書くのいやになる。

さて、その後6回にサーパスが1点を追加し5対2。そしてそのまま井上・杉本友の両先発はともに次の7回まで投げきったところでマウンドを降りた。

8回からタイガースのマウンドに上がったユミさんはサーパス打線を無失点に抑え援護を待つ。一方、サーパスはバッテリーごと代えてきた。マウンドには杉本潔彦、そしてマスクをかぶるのは杉本尚文。何と、“杉本バッテリー”となった。先発の友もあわせて、杉本姓をフル活用したサーパスだが、まさかこれが裏目に出てしまうとは…。

新井二軍監督の頭の中にどういう考えがあったのかは知らないが、もう踏んだり蹴ったりといったところだろうか…。8回の裏のタイガースの攻撃は、まず先頭、途中から3番センターに入っていた上坂、そして続く大豊が倒れあっさり二死。ところが、続く5番シオさんが四球で歩いてから状況が一転した。

6番曽我部さん、7番新井君、8番仁君の代打の片山、9番高山と、勢いづいた下位打線が火を噴き4連打であっという間に同点に追い着き、5対5。やっぱり“ぼくが観ると曽我部さんが打つ”というジンクスは生きていた。新井君はここまで3三振、守っては前述の通りトンネルと、いいとこなしだったが、これでちょっとは汚名を返上した。

サーパスは、たまらずマウンドに3番手の太田を送った。タイガースは同点に追い着きなおも二死一、二塁。打順はトップに戻りハマちゃん。カウントは2―2。

そして運命の5球目。判定は微妙だったが、マウンド後方の一塁塁審の嶋田は敢然と「ボール」とコール。まさにこの1球が明暗を分けたといってよいだろう。気をとりなおしてフルカウントからの6球目。命拾いしたハマちゃんのフルスイングから弾き返された打球は左中間を真っ二つ。

二塁走者のカタヤマに続き、スタートをきっていた一走タカヤマも長駆ホームイン。7対5。これで勝負あり。最後はルーキー窪田が締めてゲームセット。良きにつけ悪しきにつけ、見ごたえのある試合だった。

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