9月8〜10日 西武−ダイエー
(西武ドーム)

(東京都・たけがわ雅子)

GET A CHANCE! 歓喜が産声をあげる時
〜西武ライオンズ対福岡ダイエーホークス3連戦観戦記

☆9月8日(西武3−6ダイエー)〜もう「バカ田部」なんて呼ばせない

8月下旬、パリーグに異変が起きた。西武とダイエーによるマッチレースに思われた首位戦線は「まさか」の日本ハムの乱入による大混戦! 上位2チーム(ダイエー&西武。この際、日本ハムの事は《もう》忘れてくれ)には何が起きているのかさえ分からなくなるほどの展開で、いきなりの「天王山」を西武ドームで迎えてしまった。

この大事な第1戦の先発は西武・西口とダイエー・若田部の両エース。試合は両者とも「さすが」の好投で進む。ホークス1点先制の後、代打のポールに3ランを浴びてしまう。確かに私は昨年、ダラ球会の「タイトル予想」で“被本塁打王”に若田部の名を書いた。別に「これだから」ではない。そんな事はお互いにプロなのだから、どんな投手だってホームランの1本や2本は、いつかは必ず打たれるものだ。

ただ、私はあの当時の若田部に「不甲斐なさ」を感じていた。そして「このまま終わって」欲しくなかった。松浦(日本ハム→横浜)の様に「腐ったまま移籍、又は退団」して欲しくはなかった。“被本塁打王”と言えども「打たれちゃ2軍」の投手には永久に取れない。

“裏タイトル”と言ってナメてもらっちゃ困る。「期待又は信頼されて」使ってもらわなきゃ、それだって取れないのだ。武田も工藤もいなくなり、それでもホークスに優勝争いが出来るのは、打線と「戻ってきたエース・若田部」の存在なくしては語れない。

この日もポールの3ランだけに押さえた。城島、松中、小久保と打のヒーローの活躍も勿論だが、やはり若田部も忘れてはいけないだろう。西武ドームでの連敗を止めた(8月24日)のも若田部。あの日は味方が取ってくれたのはたったの1点。しかしそれを守り切って勝利をもたらした、若田部の事をもう誰も、「バカ田部」とは呼べないだろう(私にしちゃ珍しく真面目じゃん)。

ところで私の後ろにいた2人組の男性。私の左横が、ずらーっと空いてるからとメガホンを背もたれに叩く。睨むこと数10回(笑)。その内、私の真後ろにいた奴は、私のすぐ隣の空席の背もたれを手で叩き出す。たまらず「やめて下さい」と注意しておいた。アンタの手の振動が響くんだよっ! 叩くならテメェのアタマにしやがれッ!!

しばらく経つと今度はタバコの臭いと煙が。…ん? 何ーッ! タバコの煙だとー??! 「えーかげんにせいっ!!(怒)」と買い物ついでに前方に控えていた係員に

   私「ここって、客席は確か…禁煙ですよね?(何を今さら…)」
   係「はい、そうですが…?」
   私「そこの3列目位(正確には4列目だった)のお客さん、タバコ吸ってます」

我ながら陰険かも知れんが、余計なトラブルを起こさない為にも、やっぱ「係員にチクる」に限る? ドーム球場でこんな客を見つけたら、すぐに係員に報告しよう(笑)。


☆9月9日(西武2−3ダイエー)〜ここで会ったが5年振り?

実は昼間にダラ球会(…でロッテファンクラブ会員)有志による「千葉マリン球場見学&臨時観戦会」があった。聞こえはいいが、私以外は皆スタッフ。17:00過ぎに私は千葉マリンを出た。試合はまだ終わってなかったが、もう紀洋の打席も浩郎兄貴の打席も終わったし、悔いはない? 「イチローの打席が終わると帰る客」の心境が初めて分かった。…分かるなよ(笑)。

約2時間半かかって(途中、有楽町線の冷房が寒かった為に一時下車)、やっと“私の庭(?)”西武ドームに着く。「翌日の指定席」を購入後、(こう言う時の為の)西武ファンクラブ招待券で入場。既に立錐の余地もないほどの立ち見! 腹ごしらえを済ませて外周通路をひたすら昇る。確かネット裏に近いところまで行けば、少しは透き間があるはず…。

ところが先発の斎藤和巳はその間にマウンドを降りてしまっていた。あ〜もうちょっとカズミを見たかったのにィー!8回位に場所をネット裏近くから、外野寄り(内野自由席)に移動。外周通路途中にあるグッズの売店(と言うか「小屋」と言うか…?)を見ると、何とホークスのメガホンは「全部売切」! うっそー!!(吃驚)

移動しながら、ある人物を発見してしまった。その人は5年位前の「西武−ダイエー、閉幕3連戦」(注・西武はその後も日本ハムとの試合があった)に来てた「九州弁のオッサン」と同一人物?っぽいオヤジ。内野指定の最後列にいた(オイオイ本当にその席なのか?)。

確か王監督を「ワン公」呼ばわりしてたオッサンだ。…何故ならこの日も「ワン公」と呼んでたから。声にも覚えがあるのだが…こんなに頭髪、ウスかったかな? まぁいいか。 代打に坊西が登場した時に「ワン公ー!キャッチャーどうするったい!」と叫んでいた。城島じゃ不服なのか? 罰当たりだなぁ。

オッサンは5年前にも「かっとばせー本間!浜名をた・お・せー! エラーとバントしか出来ん奴ァいらんばい!(…って浜名の事か?)」とか、当時のコーチ・高橋慶彦氏にも何か文句をたれ、ベンチから出てきた慶彦コーチに「何だぁ?コラッ!」と睨まれてた様な…。またその時の席は(消化試合の為、事実上「エリア指定」状態だった)ベンチの真上の席だった。…と言う事は、私も「そう」だったんだけどさ(笑)。

このオッサンは「ホークスファン」と言うよりは「西鉄ファン」らしく、「西武ライオンズ」を「偽ライオンズ」と(5年前には)呼んでいた。この日は呼んでなかった様だが、ライオンズの事まで構っちゃいられなかったのか?

そんな「九州弁オヤジの文句」も大喚声にかき消される。何たって坊西は「同点ホームラン」だ。更に柴原が勝ち越しホームラン! どれだけ私が興奮したか? それは「来ていないM」には「報告」、「来てるかもしれないF」には「祝福」のメールを送ろうとしたら、間違えて全部Mに送ってしまった事で、お分かりいただけるだろう。

その上「埼玉県民・M」からのメールで知ったのだが、埼玉県地方には地震まであったらしい(本当)。ここも埼玉なのに、私も誰も気づかなかった。

ホームラン打者ではない、坊西と柴原の夢の様な(?)ホームランで、遂にマジック「15」が点灯された。本当に「夢」だったら、どうしよう…。


☆9月10日(西武5−7ダイエー)〜ホームラン・ラン・ラン

西武球場前駅に11:11到着。既に駅前広場は、まるでお祭りの様な人出。外野席売り場の列は「ファンプレゼント引換所」辺り。内野席売り場の列は「セゾンカード申し込み受付」辺り。うっひゃー! 

入り口と言えば、1塁側の列は「臨時乗車券売り場」の辺り。3塁側の列は「ライオンズ焼き」の屋台トラックの辺り。はぁ〜…、まさしく「開門まで、今しばらくお待ち下さい」だね。

今年最後の「同一カード3連戦観戦」となるだろう。この後は行っても「2連戦」だ。それにしても2日間、凄いゲームだったなぁ。今日はどうかな♪

ホークスのバッティング練習を見ながら、外野席で買ったシュウマイ弁当を食べていると、前方に違和感を感じる団扇を発見。それは今年の東京ドームの「宝酒造デー」で配っていた『ファイターズの団扇』である。今日の日本ハムはGS神戸。…何故? 「証拠保全(笑)」の為、(後ろ姿だけど)写真に撮っておく。

やがて団扇の持ち主は席を移動。その人物の顔を見たら、あるシーンが浮かんでしまった。ついでに知らない人なのに、思わず「ら、来月には返します!」と言う台詞が口から出そうになる。…この人に何か借りたっけ? まさか、この人が…?(後にその人物が、ダラ球会内で「借金取り」と呼ばれる人物と知る。やっぱり)

試合前にスーパーカラービジョンを使った応援パターンの練習が行われた。…こんなのいつもやってたかなぁ? 「チャンスコール」の練習の時、レフトスタンド後方にいた3〜4人位が、手持ちの白っぽいタオルを(多分タテ2つ折りにして)使って、何故か「バファローズのタオル踊り」をやっていた。やりたきゃマリン行けよ(笑)。

3回位にちょっとトイレと買い物の為に外周通路に出た。グッズの売店には、またも「ダイエーのメガホンは全て売り切れました」の文字。えぇーっ!! もう? じゃ、きっと昨日も早い回に売り切れてたのだろう。もしかしたら私が着いた頃には、既に無かったに違いない…。

私の観戦記は、書いた本人にも「試合の内容」が、いくら読んでも(自分が行ったにも係わらず)ほとんど(全く)分からない。そこら辺の反省を踏まえて、今回は「試合の内容」にも少しだけ(たまには)触れておこう。ちなみに西武の先発は松坂である。

3点を先制された、5回表1死満塁。小久保の打球は浅めのライトフライ? 「それじゃ犠牲フライにもなんないじゃーん!」と思ってたら、打球は一塁手・和田と右翼手・宮地の間にポトリ。おぉ!やったーっ!! 2点タイムリー♪ 何だか『奇跡』の予感かなー? 

その後、松中3ラン。♪ホームラン(以下自主規制)…、おいおい観戦記で歌ってどーするよ! でも本当に『虹のアーチ』が架かったよう。その曲(サブタイトル参照)を歌う人物(渡辺美里)は西武ファンなので、ちょっと皮肉かも知れない…。

まぁ『センターバックスクリーンを越えた。スコアボードも越えて行ったー! 逆転、満塁、サヨナラホームラン! しかも場外ー!』ではなかったので、ご勘弁願いたい。

6回裏、先頭松井3ベース。チャンステーマ(練習が無駄にならなかった?)が流れる中、ライトスタンドには何やら白い四角いモノが…。双眼鏡で覗くと「東尾よ何とかしろ!」と書いてあった。大丈夫だよ、鳥越が「何とか」してくれたよ(?) まぁ1点止まりですがね(ランナーが1人しかいなかったもので)。

すかさずホークスは7回表に村松有人(2ベース)と城島が、「何とか」それを帳消しにしてくれた。感謝しろよ、トリ(って一体、私は「何様」…)。

やはり今日も凄い試合だった。しかし!先月の若田部の完封から、西武ドーム・4連勝? それまでの「あの」連敗は何だったんだ?(半泣) 4月の3連敗。ついでに…やめておこう。関東地方は呪われてたのか? それとも「勝ち試合が見たければ、福岡に来い(行けるなら行きたいよぉ!私だって)」だったってか?

こんな嘆きをよそに、中内正オーナー代行曰く…「リーグ優勝したら20世紀最後の大バーゲンやらなきゃいけないなぁ。シーズン中にあった西武に対するコンプレックスが嘘のように伸び伸びとやっていて、見ていても負ける気がしなかった」。

更に新聞には「すごい。いや、すごいと言うより強い」とのコメント。…いやぁ、オーナー代行も、ある意味では…以下省略。

試合が終わり、出口に向かって歩いていたら、ライトスタンドのライオンズ応援団から「頑張れ、頑張れホークス!」の声が飛んできた。

すると、今度はレフトスタンドのホークス応援団が「頑張れ、頑張れライオンズ!」の声援を返す。さっきまでの敵も、この球場での全対戦が終われば、称え合う。その光景には出口に向かっていた周りの客からも、両球団の応援団に拍手が贈られた。

最近のパリーグの球場での「恒例行事」なのだろうか? 8月31日の西武−オリックス戦でも同じ光景が見られた。観客数は恐ろしく違うが(そこまで書かなくても…!)。

少しの間「1−9」に(後方から)参加した後、帰路に就いた。「1−9」が終わった後には、もう客はレフトスタンドにしかいなかった。1塁側は既に「清掃作業」に入って、半分以上過ぎていた。

球場前駅の改札を通ろうとした時に、携帯電話のバイブがメール着信を知らせた。それは福岡のダラ球会員“まっちゃん”からであった。8連勝であること、そしてそれは…『ラジオで聞いてたのですが、球団新記録だそうですよ』う〜ん、そうだったのか!

この3連戦はホークスファンにとって、かなり劇的なものであった。平日の8日はともかく、土日の2日間はいずれも5万人近い大観衆であった。その中には「あれだけ関東で負けていてもアキラメの悪い…いや、熱心な関東のファン」だけでなく、「わざわざ遠征してきたと思われる、地元・福岡を含む九州や、関西のファン」もかなり多かったに違いない。少なくとも応援団は福岡や関西からも、いくつか来ていた。

それだけ歓声が「福岡チック(何だ、そりゃ)」であった。「ホークスは大観衆の中で強い」事を、本拠地でもない所沢で、関東のファンにも証明してみせた。私が見た「15敗」が、全て吹き飛んだ様な「観戦・6〜8勝目」であった。

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