3月30日 ロッテ−オリックス
(千葉マリンスタジアム)

(ふさ千明)

旅立ちの前に

去る3月27日は良い試合ではあったが、やはりマリーンズの本拠地初勝利を見ずに千葉を去るのは心残りである。そういうことで引っ越し直前ではあったが再度マリンスタジアムへ行く機会をうかがっていた。

28日は「天敵」関根が先発だったので見逃したところ、案の定勝利はならなかった。それでも引き分けは大したものだが。 で、移動日を中一日おいて30日。色々あったのだが引っ越しの荷物を出し終わったりしたので、とりあえず時間ができた。

「いざ!」 家を出た。ナイターだったので自転車の使用は無し。電車とバスで球場着。 先発はM黒木・BW戸叶。 先発がジョニーと言うだけでもう来た甲斐充分なのだが、できれば勝って欲しい。

1回表、2死後3番谷をフォアボールで歩かせるも、アリアスを三振に打ち取り、事無し。 その裏、1番小坂フォアボールで出塁。2番サブローが初球を転がしてキャッチャーは一塁に送球。1死2塁。

福浦ショートゴロは三塁で小坂封殺。2死1塁と変わる。ボーリックがフォアボールで歩いて2死1、2塁。メイレフト前ヒットで福浦ホームイン。先制1−0。この間ボーリックがサードへ滑り込むもタッチアウト。チェンジ。何かこのちぐはぐさも味のうちという感じがしてきたから、不思議なモノだ。

どうなるかと思ったが、2回3回は両先発ともに危なげない。 そして4回裏。先頭の福浦、今日も真っ白なライトスタンドへ今シーズン第1号ソロアーチ。 続け、と思ったがボーリック・メイ・初芝とあっさり凡退。畳掛け攻撃とかたまには見たかったのだが。

5回も2塁までランナー進めつつも返せず。ふがいなく思う半面、ジョニーが評する言葉に困るほどの快投をしているため一抹の不安もなかった。ストレートとカーブのコンビネーションで青波打線を手玉に取っている。

6回裏。1死後に福浦・ボーリック・メイと三者連続フォアボールで満塁。ここでバッター初芝に対し、仰木監督は戸叶をあきらめ山崎慎太郎を投入。1死満塁で初芝というとどうしても例のシーンがちらつく。正直、そうなっても今日のジョニーなら大丈夫か、なんて事まで考えた。そして。それはいらぬ安心となった。レフト前ヒットで福浦生還、3−0。堀・清水と凡退でチェンジもまぁ良しか。

7回表、「みはるかす神戸〜〜」と流れるがレフトスタンドの客数が少ないので何となく盛り上がりに欠ける。その空気のまま三者凡退。

7回裏、take me out to the ballgameと風船飛ばし。千葉県民として見る最後の光景かと想うと、いささか感慨深かった。

ここからブルーウェーブはピッチャーをカルロスに。先頭の諸積が歩いて、次打者小坂の打球は高いバウンドでファースト方向。抜けると思った打球を五十嵐ジャンプキャッチはさすがショートも守る男。1死2塁。サブローのライトフライで諸積サードへ。2死3塁。またもチャンスだ。

福浦の放ったゴロは難しい場所へ。大島掴んだが間に合わない。ファーストセーフで諸積ホームイン。福浦、今日2打点目、4−0。

このあたりで気がついたのだが、私の後方ではアメリカ人とおぼしき男性が「Nice Batting!」とか「We love Johny!」とかしきりに叫んでいる。熱心なマリーンズファンらしい。シアトル出身なのか?(それはマリナーズ) 今思うとぜひ事情を聞いてみるべきだったかも知れない。 実は在籍していた元選手だったりすると笑えるのだが(個人的にはクロフォードかデニスを希望)。

8回表、ビティエロ・代打の田中と連続三振。葛城が粘ったあげくヒットで出たが吉原三振でチェンジ。 この三者三振で、この試合やたら三振が多いと気がついて数えてみると‥‥この時点で二桁に達していた。そして、セカンドを踏ませていない。やはりジョニーだ。

8回裏は初芝が“やっぱり”(失礼)のゲッツーを放ったことくらいしかなく、皆の注目はジョニーの完封に集まる。 田口をサードゴロ。大島にはセンター前に運ばれる。谷が粘る。カウント2−1から3球ファールだ。汗をぬぐうジョニー。疲れが見える。

しかしせっかくの機会、ぜひ完封してくれ!そう願って見た7球目、ボールは清水将海のミットへ。空振り三振で2アウト。アリアスレフトフライでゲームセット。

ヒーローインタビューは「もう優勝しか目指してないんで」というコメントに尽きた。たとえ26年優勝してなくとも、臆面もなくそう言える資格がある。 千葉を離れても、おらがチームマリーンズを追いかけ続け、そしていつか胴上げを見よう。 去り際、また来るよ! と心の中でマリスタに挨拶をした。

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