４月30日　ヤクルト−阪神
（神宮球場）

（山梨県・早乙女修牙）

ヤクルトの連勝で迎えた３連戦の第３戦、ヤクルトは一気に３連勝を狙い、阪神にすれば何としても３連敗だけは避けたいところであろう。

先発投手は阪神が前回巨人戦で完投勝利の井川、ヤクルトは今季初登板の山部である。なおオーダーは以下のとおり。

１回表  先頭の上坂がフォアボールで出塁し田中秀太の送りバントで２塁に進むも、３番広澤、４番ペレスともに三振で無得点。

１回裏 先頭バッターの飯田は三振にとったが、神宮のマウンドが合わないのか、この日の井川はとくに制球が悪く、２番宮本、３番稲葉にフォアボールを与え１アウト１，２塁でぺタジーニ。初回からピンチである。ここでぺタジーニはライトに飛球を打ち上げ、ライト広澤が水しぶきをあげながら、なんとかスライディングキャッチ。２アウト。

しかし、井川の制球難は尚も直らず、５番古田、６番ラミレスにもフォアボールで遂に押し出し。７番岩村をレフトフライに打ち取りなんんとか１失点で切り抜けた。

２回表、１アウトから偵察要員川尻に代わり６番レフトに入った矢野がレフトにツーベースヒット。さらに今岡フォアボールでチャンスだったが、山田ライトライナー。なおも井川フォアボールで満塁まで攻めたが、上坂三振でタイガースまたも無得点。

しかし、タイガースは続く３回表、田中秀太がヒットで出塁すると、広澤、三振の後、ペレスがレフトに大きな当たり、遂に出たか！　来日初ホームラン。距離は充分、切れるかどうか・・・

と思ったらなんと打球は失速し、レフトのラミレスのグラブへ、ツーアウト。しかしクルーズがライト前ヒットでチャンスを広げ、矢野がライト前にタイムリーを放ち１−１の同点に追い付いた。

４回裏 ラミレスセンター前ヒット、岩村が送って１アウトランナー２塁。土橋ショートゴロの後、山部の打順だが今季初登板という事を考えてかここまで１失点ながら代打の起用。高橋智がセカンドゴロに倒れチェンジ。

５回表  ピッチャーはこの回から本間。その代わりばな田中秀太が二塁打、しかし広澤三振、ぺレス サードゴロ、クルーズ フォアボールでチャンスが広がり、タイムリーを打っている矢野に期待がかかったが三振で無得点。

５回裏 飯田センター前ヒット、宮本の送りバントの処理を井川が誤りノーアウト１，２塁。続く稲葉の打球もファーストのクルーズがフィルダースチョイスを犯し満塁、しかもバッターはクリーンアップ。２回以降は何とか無失点の井川、ぺタジーニは三振にとったが古田犠牲フライで勝ち越しを許した。

６回表 今岡レフト前ヒットで出塁、山田センター前ヒット、エンドランがかかっておりノーアウトランナー１，３塁。タイガース反撃の絶好のチャンス。井川はそのまま打席に入り１塁ランナーを２塁に送った。

１番上坂に代わり代打坪井が送られるとスワローズもピッチャー山本にスイッチ。坪井ファーストゴロで今岡本塁タッチアウト。田中秀太フォアボールを選びツーアウト満塁、しかし広澤三振でまたも無得点、広澤にタイガースファンから罵声が飛ぶ。

６回裏 代打の坪井がそのままセンターに。岩村ショート内野安打、土橋が送ったが、山本の代打池山が三振。飯田を迎えるところでライト広澤に代わり松田。広澤が引っ込みほっと一安心したようなタイガースファン。井川は飯田にフォアボールを与えたが宮本をショートゴロにとり０点で切り抜けた。

７回表 スワローズのピッチャ−五十嵐。今年はあまり調子の良くない五十嵐だが、この日はペレスとクルーズを三振、矢野は歩かせたが今岡ファーストゴロに抑えた。

７回裏 この回から９番レフトに桧山が入り、矢野に代わり左バッターが続くので６番ピッチャー遠山。遠山は稲葉にはセンター前ポテンヒットを打たれたがぺタジーニをセンターフライに打ち取り役目終了、伊藤に交代。古田、ライト前ヒット、ラミレスファーストゴロの間にランナー生還、３−１。岩村敬遠のフォアボールの後、土橋ライトフライでチェンジ。

８回表 ラミレスに代わりピッチャー石井弘寿。９番レフトには真中が入った。反撃したいタイガースであったが、山田センターフライ、桧山三振、坪井ピッチャーゴロであえなく三者凡退。

９回表、 ピッチャー高津が登板。この回先頭の野村監督に命名の時に忘れられていた為、「Ｆ１セブンの８号車」という訳の分からん異名を付けられてしまった田中秀太レフトフライ。この日初打席の松田もセカンドゴロであっと言う間にツーアウト、このまま終わってしまうのか？　タイガース。

しかしここから不振の外国人が意地を見せて、ペレスが良く選び出塁、クル−ズライト前ヒットで２アウト１，２塁。ここで、ファーストランナー、クルーズに代わりＦ１セブン１号車の赤星が、ペレスに代わり同じくＦ１セブンの５号車藤本がセカンドランナーに起用された。

そしてバッターは６番伊藤に代わり、代打八木。２点差で２アウト１，２塁。外野の間を抜ければ、狭い神宮球場とは言え、ランナーが駿足なので充分同点が狙える。勿論ホームランが出れば逆転である。

タイガースの最後の望みが八木のバットにかかる、レフトスタンドのみならず３塁側内野席のお客さんも総立ちで八木に声援を送る、八木も２ストライクから高津のシンカーを何とかファウルにし粘りに粘る。しかし結局は打ち上げてしまいショートフライ。

Ｆ１セブンの２人が空しくダイヤモンドを走る中、宮本が難なく捕球し３−１でゲームセット。勝利投手は２番手の本間、敗戦投手井川、高津に５つ目のセーブ。

ヒット数はスワローズ５本に対しタイガースは８本だったのだが、スワローズの試合巧者振りが目立ったのとタイガースの守備のミスと井川の６四球が響いた。タイガースにとってはこの日の気温と同じく寒い試合であった。

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