4月6日 オリックス−ロッテ
(グリーンスタジアム神戸/
Yahoo!BBスタジアム

(京都府・ふさ千明)

昨日の勝利に気をよくして、今日も観戦することにした。関東では観戦会が開かれておりそちらへ行こうかどうしようか迷ったが、翌日が夜勤でありあまり遠出をするのはためらわれたので神戸連戦に決めた。

予告先発はMミンチー、BW小倉。昨日とは違って投手戦を予感させる二人だ。昨日と違うと言えば、今日は暖かくいかにも春らしい日和。良い観戦が期待できそうだ。

本来ならダラ球会観戦会へと行きたかったのだが目が覚めたら東京どころか神戸にも間に合わないような時間であり、それでも何とか急いで支度して出発したものの、この寝坊が祟って新幹線で神戸まで移動する羽目になる。しかし、それにしても新幹線はさすが速い。あっと言う間に新神戸着。地下鉄に乗り換え、球場着。昨日と這うって変わっての好天に恵まれたためか、なかなかの人出。急いでレフトスタンドにはいると、すでにスタメン発表は始まっていた。

<先攻のマリーンズ>
1番センターサブロー、2番レフト代田、3番ファースト福浦、4番DHメイ、5番セカンド堀、6番ライト立川、7番サード リック・ショート、8番キャッチャー清水将海、9番ショート小坂、ピッチャー ネイサン・ミンチー。

ピッチャー以外は全く昨日と一緒。確かに昨日はうまくいったのでそのままなのだろうが、打順くらいは入れ替えたらどうだろうか。今だヒットのでない代田を9番に下げるとか、2安打1ホーマーのショートを5番に上げるとか。

<後攻のブルーウェーブ>
1番センター谷、2番ショート塩崎、3番レフト ブラウン、4番ファーストシェルドン、5番ライト葛城、6番DH副島、7番サード オーティズ、8番セカンド平野、9番キャッチャー日高、ピッチャー小倉。

こちらは少しだけいじってきた。塩谷の代わりに“いい人”副島さんが入っている。前回のようにレフトならもっと嬉しかったのだが。しかし昨日3打数2安打の塩谷を下げるとは…。もっと他に候補は居ると思うのだが。これもまた石毛監督のこだわりなのだろう。

さぁ試合開始。守備につくときにブルーウェーブの選手達がサインボールの投げ入れをしていたが、レフトのブラウン、ライトスタンドまでボール届かずに何度か投げ直していた。何だか心温まってしまった。

1回表
小倉立ち上がりよく三者凡退。サブロー、代田とあっさり打ち取られたが、福浦は粘った。この粘りが頼もしく、期待を持たせてくれる。

1回裏
ミンチーも立ち上がり抜群。三者凡退、しかもわずか7球でチェンジ。1回表裏終わって8分しか経っていない。

2回表
メイの大飛球は谷と葛城の間を抜けて転々とする。ツーベースヒット。無死二塁。堀、何とバントの構え。投手戦のためまず一点を取りに行くということか。しかし、それにしても。落合以来の右打者で二年連続三割を達成した堀が、この場面でヒットを期待されるのではなくバントを命ぜられるとは。

1球目、ファールとなって失敗。2球目ボール。3球目、バントした球がフライになってしまい、サードオーティズのグラブへ。アウト。立川空振り三振、昨日の勝利の立て役者ショートセカンドフライでチェンジ。工夫や姿勢が見えるのはいいことだ。

2回裏
シェルドンファーストゴロ。葛城にもポンポンとストライクを入れツーナッシングと追い込んだ3球目、あっさり弾かれてセンター前に運ばれる。一死一塁。バッターは副島さん。久々にみられるのは嬉しいのだが、こういう場面で迎えるのはいささか怖い。正直なところ、今日のオリックスのオーダーで一番怖い感じがするのは副島さんである。1球ボールのあとの2球目を綺麗にライトへ持っていく。これで一,三塁。

そして平野だが、昨日も第一打席でうまく合わせてレフトへ流し打ちをみせていた。またも流し打ち。小坂大ジャンプもわずかに届かず、打球はレフト代田の前に。葛城ホームインしてブルーウェーブ一点先制。なおも一,二塁。迎えるバッターは昨日二併殺と不調のオーティズ。初球を打って小坂の前に。6−4−3とまたもゲッツー。ピンチを最少失点で凌いだミンチー。

3回表
清水将海セカンドゴロ。小坂の打球は高く跳ねて内野安打となる。サブローサードゴロで小坂は三塁へ。代田打ち上げてしまい、ライトフライ。

3回裏
日高ファーストゴロ、谷ファーストファールフライ、塩崎セカンドゴロ。三者凡退。ズルズル引きずらず、ミンチー立ち直った。

4回表
福浦。先ほど同様ボールを見極め、またはカットして粘りを見せる。そうして8球目、打球はふらふらと上がってシェルドンの頭上を越えた。ポトリと落ちた球をセカンドの平野が慌てて拾う。内野安打。メイの大飛球。二試合連続のツーランか、と思ったがフェンス際で失速。谷のグラブへ納まってワンナウト。堀フォアボールで一,二塁。立川空振り三振。ツーアウト。ショートフォアボール。満塁。昨日二安打の将海。上がった打球は、葛城の前で弾んだ。福浦、堀生還してマリーンズ逆転! なおも一,三塁。小坂初球打ちはセカンドゴロ。チェンジ。

4回裏
3番からの好打順だったがことごとくミンチーの前に沈黙。

5回表
サブローサードファールフライ。代田レフトフライ。福浦またも粘って7球目を引っ張る。鋭い打球が平野の横を襲う。平野、横っ飛びするも及ばず、ライト前ヒット。メイライトフライでチェンジ。

5回裏
副島さんの打球は高速で小坂の横を抜けた。小坂が「しまった」というような様子でボールを見つめていた。平野、バントの構えだがフライにしてしまい、バント失敗。オーティズにライトスタンドから「働け働けオーティズ」の声。残念ながら来日間もないオーティズには通じなかったであろうが、気持ちはよく分かる。ボールのあとの2球目、副島さんが走った。良いスタートだったが将海の送球もよくアウト。オーティズはショートゴロで、さっき走ってなくても同じ結果になったようである。チェンジ。

6回表
堀、オーティズの横を抜ける快打。ボールはレフト線を縫うように転がり、悠々のツーベース。いわゆるスタンディングダブル。立川初球を送りバント。本来なら「何と」と言いたいところだが、先ほどの堀の姿を見た後ではそれほど驚くこともなかった。これで一死三塁。リック・ショート、初球を引っ張った。レフト前ヒットで堀生還。M3−BW1。清水初球をバントしようとするがファールにしてしまう。結局センターフライ。小坂の初球打ちはライトフライ。チェンジ。

6回裏
日高センター前ヒット。谷レフト前ヒット。連打で無死一,二塁。塩崎、バントの構え。1球目はミンチーが外してボール。2球目、バント成功し、ボールはミンチーの前に転がる。ミンチー、長身をかがめてこれを捕球し慌ててファーストへ。これが飛んでもない暴投になり、日高ホームイン。M3−BW2。

さらに谷も三塁到達しこれで一,三塁。ブラウンの初球打ちはライト前ヒット。谷ホームインしてついに同点! まだノーアウトで一,二塁。シェルドン。ショートゴロ。6−4−3でゲッツー完成。二死三塁に変わる。葛城を歩かせて二死一,三塁。副島さんを迎えるところでついピッチャー交代。ミンチー無念の降板。マウンドには川井が上がった。すると石毛監督も代打を告げる。

しかし今日二打数二安打、通算打率も5割を超える絶好調のバッターに代打とは…。コールされた名前は「山崎」だった。もとセリーグの二冠王山崎武司。見逃し三振。チェンジ。

7回表
ここしばらくラッキーセブンに点を取ったのを見たことが無いどころか、ほとんど三者凡退だった気がするのだが、今日も三者凡退だった。サブローのセカンドゴロは平野の美技に阻まれてのものだっただけに、惜しかったが。

7回裏
守備で良いところを魅せた平野がバッターボックスへ。第一打席と同じように綺麗に流し打ってレフト前へ。またもランナーを置いてオーティズ。併殺が多いということはそれだけランナーを置いた場面で回ってくると言うことで、そういう運を持っているとも言える。今度はショートライナー。平野飛び出していて戻れず、アウト。日高ファーストゴロで、ヒットはあったが三人で終わってしまった。

8回表
小倉がついに降板し、ピッチャーは嘉勢。メイライト前ヒット。代走に井上純がコールされる。打つ方はちょっとアレだが、走るのなら安心だ。ワンポイントの嘉勢はこれで交代。ピッチャーは戸叶。嘉勢を挟んでの「ひさし→ひさし継投」である。堀、またもバントの構え。「バントさせるくらいなら5番におくなよ!」

1球目は失敗。2球目はボール。3球目、今度はきっちり転がして送りバント成功。バッターは立川。千葉マリンスタジアムで流れる登場テーマ「SAMBA DE JANEIRO」をみんなで歌い、最後に「立川ー」と叫ぶ。初球フルスイングし、レフト前ヒット! 井上純生還でM4−BW3。後続は倒れたが、貴重な1点が入った。

8回裏
ピッチャーは昨日と同じくブライアン・シコースキーに。しかし今日ばかりは立川コールに盛り上がってしまい、グルグルまわしを見逃してしまった。また、守備がためとしてサードに渡辺正人が入った。今日は昨日よりスピードが出ていたシコースキー、無難に三者凡退。

9回表
ピッチャー、またも交代し山本の名がコールされた。小坂ショートゴロ。サブローを迎えたところでさらにピッチャーが牧野に代わる。石毛監督、小刻み継投。連投の牧野、サブロー&代田を打ち取ってチェンジ。

9回裏
ピッチャーは昨日と同じく我らが小林雅英に。シェルドンサードゴロ、葛城ショートゴロであっと言う間にツーアウト。この場面で山崎が再度登場。ボール、ストライク、ストライク、ボール。一球ごと、高まる緊張と期待。そして5球目、山崎の打球はサードへのゴロ。慣れぬバウンドに戸惑いながら追う渡辺正人、捕らえきれずに弾いてしまう。「おいおい」とレフトスタンド総ツッコミ。

これで二死一塁。代走には大島。平野に代打五島。これまた打球はサードへ。高いバウンドになって正人の頭上を越え、レフト前ヒット。代走には進藤。さぁ、大変盛り上がってきてしまった。1点差、9回裏ツーアウト、ランナー一,二塁。バッターはオーティズ。ファール、ストライクでツーナッシング。「やっぱり大丈夫じゃないか」と安心して見守る3球目、何とワイルドピッチ。ランナーそれぞれ進塁して二死二,三塁に。

思わぬ「小林劇場」に困惑を隠せないレフトスタンド。一気に盛り上がるライトスタンド。双方が様々な思いを込めて見つめる4球目、オーティズのバットは空を切る。空振り三振! ゲームセット。これでマリーンズ二連勝。

ヒーローインタビューは決勝タイムリーの立川。アナウンサーの「送りバントとヒットで勝負を決めましたね」という質問(?)に対して「送りバントできてよかったです」という回答が立川らしくて笑ってしまった。「チームの雰囲気は変わりました?」「いや、前から良いですけど」というやりとりにも失笑。

つくづくこういうチームカラーなのだと納得したが。今シーズンあと何度味わえるか分からない二連戦二連勝。春のうららかな陽気の中、鮮やかな芝生の美しさと試合とを楽しめ本当に来てよかった。そう思い、そしてこんな観戦がまたできることを願って帰途についた。

M 4 − BW 3

勝利投手 川井貴志 1勝0敗
セーブ  小林雅英 0勝0敗3セーブ
敗戦投手 嘉勢敏弘 0勝1敗

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