9月13日 近鉄−ロッテ
(大阪ドーム)

(京都府・ふさ千明)

もはや定番になってしまった夜勤明けでの大阪ドーム観戦。こういうときは15時開始がうれしい。いつも一応出勤前に黒ユニから何から用意しておくのだが、毎回何かが抜けてしまうのはなぜなのか。ちなみにこの日はチケットホルダー忘れてしまった。

また、この日は名曲「Red de Hustle」の発売翌日でもあった。職場の上司から「ワシのも1枚頼むわ」と言われたのだが、出発直後ショップバフィに電話すると「すいません。こちらはもう完売してしまいまして…。球場内の売店でしたら残ってるかもしれませんが」とのこと。

球場に到着後、各売店を右往左往したが結局どこも完売。しかたなく、とぼとぼとレフトスタンドへ。試合前からこんなに意気消沈したのは結構久しぶり。おかげで試合前の「Red de Hustle」を見逃してしまい踏んだり蹴ったり。すでにスタメン発表間近で、あわてて席を確保する。

この日のスタメンは、先攻のマリーンズ
1番ショート 小坂、2番ファースト 福浦、3番センター 井上純、4番DH 堀、5番サード J・フェルナンデス、6番レフト R・ショート、7番ライト サブロー、8番キャッチャー 里崎、9番セカンド 渡辺正人、P 小林宏之。

後攻のバファローズ
1番センター 大村、2番セカンド 水口、3番DH 川口、4番レフト 狼主、5番ファースト 吉岡、6番ライト 礒部、7番ショート 阿部真、8番 サード 星野、9番キャッチャー 藤井、P山本。

神戸のときとは微妙に変えてきたマリーンズ。2番福浦は小笠原並みとはいかないまでもそこそこ機能してくれそうで頼もしい。そしてやはり今日も堀さまが4番。

バファローズは中村ノリがいないが、それでもじゅうぶん迫力がある。攻守のバランスという面からみても、マリーンズより上だろう。…書いていて悲しくなってきたのでこの辺で試合の方へ。


1回表。
小坂空振り三振、福浦ツースリーからサードゴロ。イノジュンセンター前ヒット。二死一塁。ランナーを置いて堀さま登場し、「堀さま〜」とコールする者多数。なんだか浸透してきているのか堀さまコール。いきなりボルテージあがったが、見逃し三振。チェンジ。

1回裏。
大村セカンドへの打球、正人なんとか追いついたが、それで精一杯。セカンド内野安打。無死一塁。水口ライト前ヒットで一、二塁。“憲史コール”を受けて川口がバッターボックスに。ライト線へ巧打。サブローが打球の処理を誤ってオタオタする間に三塁到達。先制タイムリー2点スリーベース、2−0。

狼主空振り三振。吉岡サードゴロ、ランナー憲史挟殺されて二死一塁。礒部ライト前ヒットで一、三塁となり、バッターは阿部真。4球目に礒部盗塁し、二、三塁。もうなんだかやりたい放題。阿部真サードゴロ。ホセ、こぼしたがなんとか送球間に合ってスリーアウト。ようやくチェンジ。

2回表。
フェルナンデス見逃し三振、ショートセンターフライ、サブローライト前ヒット、里崎センター前ヒットで続いて一、二塁。山本セカンド牽制が悪送球となって二、三塁。正人空振り三振。芸風健在。

2回裏。
星野センター前ヒット。藤井送りバント。一死二塁。大村の2球目にパスボールで一死三塁に変わる。そして大村、次の球をきっちりとらえてライトへ犠牲フライ。星野ホームインして1点追加、3−0。水口ショートゴロでチェンジも、この1点はちょっと痛い。なんだかんだ言いつつ、やっぱり送りバントと犠牲フライで点が取れるチームは良いと思う。

3回表。
小坂いつも通り初球を打ち上げてレフトフライ。福浦ヒット♪のかけ声に応えてレフト前にはじく。一死一塁。イノジュンセカンドゴロ。福浦セカンドで封殺されるもイノジュンは俊足が生きて駆け込みセーフ。二死一塁。なんだかさっきとおんなじシチュエーション。さぁ、再度堀さまコールが聞こえてきた。今度は神戸の堀さま娘の声もした。どうやら来ていたようだ。堀さまの初球攻撃はサードへの打球、いいところへ転がるもこれを星野が好捕してファースト転送、アウト。残念ながらチェンジ。

3回裏。
川口ライト前ヒット。無死一塁。狼主ファーストゴロで福浦がそのままベースを踏む。川口は二塁に生きた。吉岡、初球を打ってセンターへライナー性の飛球が。イノジュン無事捕ってアウト。礒部ピッチャーゴロでチェンジ。ようやくバファローズ側のスコアボードにゼロが点灯した。

4回表。
フェルナンデスは粘ったが、ショートもサブローも初球を打ってアウト。5分くらいで4回表終了。

4回裏。
阿部真粘ったがサードファールフライ。星野、初球を打ってライトスタンドへ放り込む。12号ソロアーチで4−0。2打数2安打1打点2得点。やな8番バッターである。歓呼が響くライトと、嘆息が沁みるレフト。好対照。藤井、大村凡退でホッとしたが、4点はちょっと重たすぎる。

5回表。
マリーンズでは強打のキャッチャー里崎からの打順だが三者凡退。頭上に立ちこめた暗雲が、その濃さを増していった。

5回裏。
この回の先頭は♪栄二のバットが火を噴くぞソレ、のかけ声高く響き渡る水口。ホームラン、とはいかなかったが、持ち味発揮のライト前ヒット。無死一塁。そしてこのあとは、ノーアウトでランナーを置いてというシチュエーションで迎えたくないバッターが勢揃い。しかし小林宏之、ここはセットアッパー出身の持ち味発揮。ボール先行しつつ、バッターの狙いを外すピッチング。川口センターフライ、狼主セカンドゴロ、吉岡センターフライ。チェンジ。宏之、見事。

さて。レッドdeハッスルの時間である。なんだか浸透したようで、レフトスタンドは自然とフェンス際に人が集まってくる。ライトスタンドも、レフトスタンドから見た限りだが盛り上がりつつあるようだ。つくづくCDを買えなかったことが残念でならない。

6回表。
そろそろなんとかしないと宏之このまま見殺しである。福浦空振り三振。イノジュンセカンドゴロ。わずか6球でツーアウト。三者凡退は勘弁してくれ…と、苦しいときの堀さま頼み。堀さまフォアボールで二死一塁。ようやくランナーを置いた状態で♪ホ〜セホセホセホ〜セ〜、のホセ・フェルナンデスがバッターボックスに。ホセは、なんと言ってもマリンスタジアムの逆風突いてホームランかっ飛ばせる逸材であり、なんとかしてくれそうな雰囲気になる。

そして。ボールワンからの2球目、ライトへの一撃は高くあがった。重苦しい空気とたちこめる暗雲を払った会心の一撃は、追撃の26号ツーランホームラン。4−2。R・ショートもレフト前ヒットで続き、山本ここで降板ピッチャーは三澤に代わった。サブロー初球を打ってライトフライ。三澤の勝ちでチェンジ。

6回裏。
礒部ショートゴロ、阿部真レフトフライで、星野を打ち取れば今日初めて三者凡退だったが、フォアボールを出してしまい二死一塁。藤井、ツーアウトなのになぜか初球バントの構え。バットを引いてストライク。結局三球三振だったのだが、何がしたかったんだろうか藤井。ま、ともあれチェンジ。

7回表。
当てにならないラッキーセブン。里崎が今日2本目のヒットをライトに飛ばし、これを渡辺正人が送った。一死二塁。ここから左が並ぶというところで、ピッチャーが小池に代わった。小坂は空振り三振。福浦のライトへの強い打球は、礒部のグラブへダイレクトで入る。チェンジ。悔しいが、小池はいいピッチングをする。

7回裏。
ドリーム&パワーが流れるが、いまいち物足りない。やはりもうレッドdeハッスルでないとだめなのか。これはなんとしてもCDを入手せねば…。と、試合そっちのけで別のことを考えているのは私くらいなもので、バファローズファンはライトスタンドと言わず一塁側全体で盛り上がり風船を飛ばす。結果は三者凡退だが。

8回表。
この回からピッチャー高村に。今の高村を見ていると「大変ですね、おつかれさま」と声をかけたくなってしまうのはなぜだろうか。たとえこちらがとてもそれどころではなかったとしても。

先頭のイノジュンに代打佐藤幸彦がコールされた。“あの人”でないのは、絶対的なチャンスではないからだろう。初球をセンター前へ運んで、無死一塁。 代走に喜多が入る。堀さまの今日初ヒットはライトへ飛んで、これで無死一、二塁。やっと巡ってきた、チャンスらしいチャンス。しかし、好事魔多しとはまさにこのこと。ホセショートフライ、R・ショートセンターフライ。サブローサードゴロで万事休すかと思ったらこれを星野がこぼす。オールセーフで二死満塁。

漫画みたいな展開で、バッターボックスには漫画1000冊を所有する里崎が。守の清水、打の里崎だけに期待はたかまるが、最後はレフトフライでチェンジ。高村が踏ん張ったと言うべきなのか…。慣れているとは言え、やはり残念。

8回裏。
代走喜多がそのままセンターの守備位置に。期待の若武者が近くに来たので、声援を送る。こちらのピッチャーは代わらず小林宏之。投げる方も投げさせる方も、結構踏ん張る。先頭の狼主、打ち上げて内野フライ。高くあがった上にドーム球場のデーゲーム。打球が見えない。最初は里崎が追っていたが、見失ったようで最後はホセがマウンド横で捕った。結果的にはサードフライでワンナウト。

続く吉岡の打球は、こちらめがけて飛んできた。「やめてくれー」と思ったが、最後はフェンスに遮られて視界から消えてしまったのでよくわからなかった。結果はファーストに吉岡が立っていたことから類推するに、ヒットだったようだ。この球場は、こういうところが本当に困る。

一死一塁、バッターは礒部。2球目でエンドランを仕掛けてきたが、打球は小坂の守備範囲へ。策が救いとなってアウトはファーストのみ。セカンドはセー フ。二死二塁。阿部真の打球はセンターへのライナー。抜ければ致命的な1点というところ、喜多、ナイスラン&ナイスキャッチ。拍手喝采を嵐のように浴びせ、最終回への意気を高めた。

9回表。
ピッチャーは高村から吉田豊彦に。ここは日生か藤井寺か、はたまた大阪球場か、というような(もしかしたら平和台かもしれない)リレーにちょっと満足感を覚えてしまう。マリーンズ、最後の反撃。先頭の渡辺正人がそのまま打席に入ったので、「えー。初芝はー?」と駄々をこねたら3球目、猛烈な返答が正人から返ってきた。追撃の打棒はマリーンズファンの待つレフトスタンドへ。5号ソロアーチで4−3。

小坂俊足飛ばして内野安打。無死一塁。続く福浦は送りバント! もと首位打者だとかにこだわらぬこの判断は8/3の試合の反省からとも思える好采配。一死二塁。レフトスタンド黒ユニ軍団も意図を汲んでの拍手拍手。 監督と、バントを成功させた福浦に。そして。

『バッター、喜多に代わりまして、初芝』

レフトスタンドは叫びで満ちた。勝利、確信、喜び、笑い、期待、英雄、初芝。様々な思いが渦を巻いて轟音と化した。異様な雰囲気の中、ワンボールからの2球目、打球が来た! 意志を持ったかのようにハツラツとしたそのボールは、狼主の横を抜き、グラウンドを気ままに転々とする。小坂ホームインし、これで同点。4−4。セカンドベース上でスタンドの歓呼に応える初芝が、輝かしかった。代走代田を告げられベンチへ帰る初芝に、再度コールしながら、一方ではガッツ溢れる代田に、「代田、ダーッシュ!」と声をかける者多数。

そしてなお一死二塁で、バッタ−ボックスには、4番、我らの堀さまが入った。「堀さまー」同時に何人が叫んだか。みな夢中だった。これから起きるドラマを予想して、その実現を信じて、声を送っていた。「かっとばせーコーイチ!」と。ストライク、2球目もストライク。3球目はボール、4球目もボール、5球目もまたボール。吉田豊彦、投げにくそう。6球目ファール、7球目またファール。そして8球目、ついに堀さまのバットがボールを捉えた。強い打球がセンター大村の頭を越していく。センターオーバーのツーベース。ついにマリーンズ逆転。5−4。

吉田豊彦降板し、ピッチャーは愛敬に代わる。「一気に畳み掛けろ!」と思ったが、ソレができれば苦労はない訳で。ホセ、レフトフライ。R・ショートサードゴロ。ヘッドスライディング!惜しくもアウトだが、その意気や良し。チェンジ。

9回裏。
小林宏之完投か? と思ったが、この1点差、無理なく守れる守護神がいる以上、託すのが本道か。ピッチャーは小林雅英に。宏之の中継ぎ時代(と言ってもそんな昔でもないのだが)を彷彿とさせる小林リレーだ。守備も、代走の代田がセンターへ入り、ホセに代わって原井がセカンドへ。そして正人はサードに回った。マリーンズ、現段階での完全防御態勢。星野ライトフライ。代打益田セカンドゴロ、大村ファーストゴロ。パーフェクトリリーフでゲームセット。

帰途、ショップバフィに立ち寄ると「RED de HUSTLE完売」の貼り紙がしてあった。よほど問い合わせが多かったのだろうか。ぜひともCDを再販してほしいと思いながら球場を後にした。後日、映像入りのCDが発売され早速入手したが、やはりインパクトがあった。現在、ファンクラブ加入を真剣に検討している。

M 5− Bu 4

勝 小林宏之 8100S
S
 小林雅英 0228S
敗 吉田豊彦 337S

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