9月14日 近鉄−ロッテ
(大阪ドーム)

(京都府・ふさ千明)

昨日は知らなかったが、あの勝利で4位浮上したらしい。上がったら落ちるのがうちの芸風であるし、3タテなどというのも高望みだし…。て、なんでマイナス思考なんだ自分。こっちの先発が薮田だからではないはずだ。あっちの先発が阿部健太だからではないはずだ…。また、この3連戦はサンケイスポーツ紙がスポンサーらしいのでいつものスポニチではなくサンスポを買って球場へ。

この日のスタメンは、
先攻のマリーンズ
1番ショート 小坂、2番ファースト 福浦、3番センター 井上純、4番DH 堀、5番サード J・フェルナンデス、6番レフト R・ショート、7番ライト サブロー、8番キャッチャー 里崎、9番セカンド 渡辺正人、P 薮田。

後攻のバファローズ
1番センター 大村、2番セカンド 水口、3番DH 川口、4番レフト 狼主、5番ファースト 吉岡、6番ライト 礒部、7番ショート 阿部真、8番サード 星野、9番キャッチャー 的山、P 阿部健太。

マリーンズは先発ピッチャー以外、全員昨日と一緒のオーダー。個人的にはなぜだか昨日の勝利はこのオーダーのおかげという気があまりしない(打点は5番ホセ、9番渡辺正人、代打初芝、4番堀)。別に代案は無いが「勝ったから、とりあえずこれで」というのでなければいいのだが。

バファローズは藤井に代えて的山を起用。ピッチャーが“岩隈2世”阿部健太ということもあり、育成の意味も込めて守備&リード重視なのだろうか。マリーンズファンの不安としては、当方のピッチャーが昨日より期待できないのに、先方のピッチャーは昨日より強力だということだ。パターンからすると「昨日より点取られて、昨日より点が取れず敗戦」なのだが。


1回表。
小坂フルカウントまで粘って空振り三振。昨日より粘った分マシだが結果は同じ…。福浦2球目打ってサードゴロ。これも結果は昨日と一緒。不思議な偶然に「イノジュンはセンター前ヒットか?」と思ったが、空振り三振でチェンジ。ま、球数投げさせてるので、そんなに悪くはない。

1回裏。
大村ピッチャーゴロ。水口センターフライ。川口はノースリーからフルカウントになり、さらにファールで粘っての8球目、これも昨日の再現のようなライト線への巧打。今度はサブローが打球の処理を誤らずセカンドストップ。二死二塁。なんだか初っぱなから昨日とかぶる場面が連発。もしかして最後は初芝と堀で決まるのか。そんなことを言っているうちに狼主空振り三振でチェンジ。夢を見る私と違って、薮田は冷静。

2回表。
堀セカンドゴロ。フェルナンデスもセカンドへの打球。いいところへ転がったが水口に好捕され、アウト。ショートフォアボールで出塁、二死一塁。サブローのサードゴロを星野がファンブル。らっきーなことに二死一、二塁。さらに里崎フォアボールで二死満塁。もはやイケイケ状態だが、正人空振り三振でチェンジ。芸風健在ってところも昨日と一緒。

2回裏。
吉岡粘った末にライト前ヒット。礒部の打席、4球目で吉岡盗塁! これを里崎が刺してランナーアウト。しかしさすが礒部、動揺無く次の球をライト前へ運ぶ。一死一塁。ここは薮田が踏ん張り、阿部真サードフライ、星野センターフライに打ち取りチェンジ。

3回表。
小坂、いつもと違って転がしたのはいいが、キャッチャーゴロではさすがに間に合わない。福浦ヒット♪のかけ声に応えてレフト前にはじく。一死一塁。イノジュンセカンドゴロ。福浦セカンドで封殺されるもイノジュンは俊足が生きて駆け込みセーフ、二死一塁……この場面、昨日と全く一緒でちょっと気味が悪くなってきた。

堀の打席、これも昨日と同じかと思ったが、3球目でイノジュンがスチール敢行。的山の強肩発動してタッチアウト。チェンジ。細かいところは微妙に違うが、点が入らないのは昨日と一緒。なんだかなぁ。

3回裏。
的山、火曜サスペンス劇場のテーマに乗ってバッターボックスへ。それに対し「どんなサスペンスが始まんねん!」と、敵味方の別なく盛り上がる場内。それでいて三球三振なのが的山っぽくていいと思うのは間違っているだろうか。大村ライト前ヒット。一死一塁。水口がフォアボールで続いて一死一、二塁。川口はセンターフライで二死一、二塁と変わる。

そして狼主。ボール、ストライクが交互に入ってフルカウントになった6球目、昨日から眠り続けてきたそのバットがついに火を噴いた。ライトスタンドへ届いた、47号スリーランホームラン。バファローズ先制。3−0。悔しいが、やはり狼主はすごい。脱帽するしか無い。そしてこれは、レロン・リーの記録を抜き、外国人選手通算1位となる284号でもあった。大阪ドームは祝賀一色。叩きのめされたはずの我々さえも「おめでとう」と言ってしまう。

さらに吉岡、初球をフルスイングし、こちらへめがけてかっ飛ばす。「来るな!」と願うことすらかなわぬ驚異的な打球は、上段席にあたって頭上でがつんと鈍い音がした。ソロアーチで4−0。礒部にフォアボールを出したところでピッチャー薮田無念の降板。代わって川井がマウンドへ。

その川井が阿部真をサードゴロに打ち取ってやれやれと思ったが、これをホセがファーストへ悪送球。その間に阿部真はセカンド到達。ファーストランナー礒部はホームをうかがうも、サードストップ。これで二死二、三塁。うちのサードはどうしてこうなのか。

そして昨日3打数3安打1本の星野。ツーナッシングからツースリーになり、見逃し三振でようやくチェンジ。川井を三拝九拝して感謝を捧げる。しかし、阿部健太相手に4点か…。

4回表。
堀レフト前ヒット。これがようやくのチーム初安打。フェルナンデスはセンターフライ。ショート、ファーストゴロの間に堀はセカンドへ進塁。サブロー、フォアボールで二死一、二塁。ようやく巡ってきたチャンスにバッターは強打・里崎。その打球は三遊間へ。抜けた、という勢いに目を輝かせたのも一瞬、阿部真のダイビングキャッチに阻まれてチェンジ。

4回裏。
的山、大村、水口といずれもフライに打ち取って三者凡退。ようやくホッとできた。

5回表。
正人、小坂と連続三振。福浦もセカンドゴロで三者凡退。なんだかこう、見ていて打てる気がしない。

5回裏。
狼主をフォアボールで出した以外は凡退でチェンジ。頼もしきかな乾いた菓子、もとい川井貴志。

6回表。
3、4、5番のクリーンナップも三者凡退。

6回裏。
阿部真ライト線ツーベース。星野がこれを送って一死三塁。的山、初球スクイズもこれを察知したマリーンズバッテリーに外される。阿部真が飛び出していたが、外しにかかったプレーが守備妨害になったとのことで、里崎これを刺せず。的山は結局空振り三振で二死三塁に。

大村を抑えれば無問題だったが、そう甘くもない。三塁線への鋭い打球にホセ飛びつくも及ばず。R・ショートがボールを内野に返す頃には阿部真はホームインし、大村セカンド到達。タイムリーツーベースで5−0。完封ペースになってきた阿部健太を思えば、絶望的な5点目。やはり昨日以上の失点になってしまったか…。というか、川井引っ張り過ぎかも。園川コーチ出てきて、川井ここまでで降板。戸部に代わる。戸部、水口空振り三振に打ち取りチェンジ。

7回表。
当てにならないラッキーセブン。案の定三者凡退。こんなとこまで昨日同様じゃなくても…。

7回裏。
この回の頭からピッチャーは藤田に。左対左ということでか、川口には代打北川がコールされ、逆転イッパツマンのテーマが流れる。北川の打球は高速で三遊間を駆け抜けようとしたが、そこへ小坂が回り込んで、うまくバウンドにあわせてキャッチし、ファースト送球。ワンアウト。

次打者ローズに対して、マリーンズは極端に一、二塁間を極端に狭め、サードをがら空きにさせた守備隊形を取る。ファーストベース付近に福浦、一、二塁間に渡辺正人、セカンドベース付近に小坂、ショートの守備位置にホセ。これはいわゆるローズシフトというわけか。

これが藤田を強く後押ししたのか、常にも増した強気の投球。インコース主体に大胆な責めを行い、その挑戦を受けてローズも負けずに引っぱりにかかる。打球は渡辺正人の正面、速いボールを掴んで福浦に送球、アウト。打球の速さから見れば、シフトがなければライト前ヒットだったわけで、作戦成功。吉岡ライトファールフライでチェンジ。結果は三者凡退だが、この回はなかなか面白かった。

8回表。
渡辺正人に代打喜多。バファローズに阿部健太あればマリーンズには喜多隆志あり。初球攻撃はショートへの深いゴロ。気迫のヘッドスライディングで判定はセーフ! 沈滞していた空気を破るこのプレー。やはり喜多はいい。

小坂への初球を的山捕れずパスボール。その間に喜多セカンドへ。小坂は打ち上げてショートフライ。ミスにつけ込めず。しかし福浦がセンター前にタイムリーヒット。喜多ホームインで5−1。完封ペースだった阿部健太に一矢報いるこの一打に対して、精一杯の福浦コールを送った。なおも一死一塁。しかしイノジュンピッチャーゴロ、堀空振り三振でチェンジ。阿部健太が崩れないのか、うちがふがいないのか。多分両方なのだろうが。

8回裏。
ピッチャーは藤田から舩木になり、代打の喜多がセンターに入り、井上純のところにセカンドとして原井が入った。先ほどのガッツあるプレーをたたえて、喜多を呼ぶものが多数。それに対し喜多は帽子を取って応えてくれた。舩木好投し、礒部レフトフライ、阿部真セカンドゴロ、星野ファーストライナーで三者凡退。チェンジ。

9回表。
マリーンズ、最後の反撃。その前に、バファローズは水口に代えてショート前田を入れ、阿部真がセカンドに回った。代わったところにボールがいくとはよく言った物で、ホセショートゴロ、R・ショートもサードゴロ。サブローがセンター前ヒットでなんとか望みをつないだ。二死一塁。せめてもう一太刀の期待も空しく、里崎センターフライ。ゲームセット。

阿部健太、見事完投勝利。やはり昨日より点が取れず、昨日より点を取られて負けた。むべなるかな。結構球数を投げさせたのだが、尻上がりに調子を上げられて攻略しきれなかった。やはり彼は良いピッチャーである。また、阿部健太はお立ち台に呼ばれたものの、インタビューに不慣れな感じだったのも初々しくてよかった。

また、この日はタイガースの優勝前日であったのだが、事のついでと帰途に、道頓堀の飛び込みですっかり名を知られてしまった戎橋に行ってみたら、周囲の商店ではすでに阪神優勝セールが始まっていて思わず笑ってしまった。来年はもう少しフィーバーが収まって、甲子園で普通に野球が見られるとセリーグに疎くならずにすむので助かるなぁ、と思いながら家路についた。

M 1− Bu 5

勝 阿部健太 2勝0敗0S
敗 薮田安彦 5勝5敗0S

戻る

inserted by FC2 system