1月5日 東京−名古屋
(東京ドーム)

(山梨県・早乙女修牙)

新年5日目、年末年始の旅行から2日前に帰ってきたばかりだが、青春18きっぷもまだ残っているので出掛けることにした。さて、どこへ行こうかと考えていたが、今日は東京ドームでマスターズリーグの試合があるではないか。今年の初観戦も果たせることだし、これで行き先は決まった。

球場内に入ると東京の矢作公一選手が観客に振舞い酒をしていた。筆者は普段は酒は飲まないが、もちろん貰わない手は無い。受け取ったついでに「矢作さん頑張って下さい」と言ったら、愛想良く「ハイ」と返事をして貰えた。1塁側内野自由席に腰を下ろし、早速お弁当と一緒に酒を飲む。ウィ〜。

2階席は開放されていないが、試合開始までまだ時間があるのに自由席は満員になりそうな勢いだ。そんなことをしている内に場内にスタメンが発表された。

<名古屋80D`sers>
4高木守道 9上川誠二 5宇野 勝 3斉藤浩行 2鈴木伸良 8田尾安志 
6鴻野淳基 7藤波行雄 DH森 徹 P鈴木孝政

<東京ドリームス>
8屋鋪 要 6広瀬哲朗 9安部理 3駒田徳広 DHオレステス・デストラーデ 
5佐藤 洋 7蓬莱昭彦 2大矢明彦 4水上善雄 P野村 収

東京ドリームスによるシャドープレーが(ボールを使用せずに内野ノックやボール回しをする)行なわれ、続いて着流し姿のマスターズリーグ委員会議長大沢啓二親分から挨拶、近藤貞雄、土橋正幸両監督の握手、選手によるサインボール投げ入れが行なわれた。

試合開始時の客の入りは内野自由席が8〜9割、指定席4割、外野席7割と言ったところだろうか。始球式は今日が誕生日のタレントの高田万由子さんが旦那さんの葉加瀬太郎氏の曲に乗って登場、山なりながら、キャッチャーまでダイレクトにボールが届いた。

1回表
高木サードゴロ、上川ショートゴロ、宇野ファーストフライ。

1回裏
屋鋪セカンドゴロ、広瀬サードゴロ、安部センターフライ。名古屋の鈴木孝政はこれで連続イニング無四球の記録を14イニングスに伸ばした。

2回表
斉藤、鈴木伸共にショートゴロ、田尾初球をライト前にヒット。しかし鴻野はサードゴロで田尾は2塁フォースアウト。

2回裏
駒田2-1からセンター前ヒットで出塁。5番のデストラーデにホームランを期待する観客の大きな拍手が贈られる。デストラーデは1-3から真ん中低めの球を掬い上げ、ライトに大きな当たり。スタンドは沸き立ったがボールはフェンス間際で失速しライト上川のグラブへ。続く佐藤は自打球が足に当たりかなり痛そう。しかも打撃結果はショートゴロ併殺打、気の毒であった。

3回表
先頭の藤波、センターに抜ける鋭い当たりで出塁。しかし続く67歳の森がショートゴロ併殺打に倒れ、ランナーは消えた。1番に返り高木セカンドゴロでスリーアウト。

3回裏
蓬莱、大きなライトフライ、ライトの上川は現役時代は内野手で外野は不慣れなせいか少し危なげな捕球であった。大矢セカンドゴロ、水上セカンドフライ。

4回表
サード、自打球の佐藤に代わり鮎川義文。鮎川は32歳の為、リーグの規定で4回以降でなければ出場出来ないので、佐藤は3回は我慢して守っていたのであろう。上川センターフライ、宇野セカンドゴロ、斉藤三振。

4回裏
名古屋も高木に代わり、38歳の彦野利勝が1番に入りライト、上川は本来のセカンドにまわった。屋鋪2-1からレフト前ヒット、広瀬の2球目に盗塁成功、広瀬は続く3球目をライト前にヒット、屋鋪はホームを伺うが、彦野の強肩がこれを阻止。安部の初球にエンドランがかかり、広瀬がスタート、打球はライト前タイムリーヒットとなり今度は屋鋪ホームイン。

ここでピッチャーは左腕の星野秀孝に交代。鈴木孝は失点したが、無四球記録を17イニングスに伸ばした。4番の駒田は星野の初球をあわやホームランかと言うライトフェンス直撃2塁打にし広瀬が還り東京2点目。デストラーデは2−2からセカンドゴロ併殺打に終わったがこの間にさらに1点を追加。鮎川は初球をライト前に落とすポテンヒット。蓬莱の代打、森博幸ライトライナーでチェンジ。

5回表
代打の森、そのままレフト、ピッチャ−大川章、キャッチャーも伊藤勲に交代。鈴木伸ライトフライ、田尾レフトフライ、鴻野三振。

5回裏
伊藤空振り三振、水上センターフライ、屋鋪2-3から空振り、これをキャッチャ−が後逸し振り逃げとなった。しかし、広瀬はキャッチャーファウルフライに倒れ無得点

6回表
バッターは左の藤波に代わり、右の大久保弘司。名古屋は監督、コーチを含め在籍者がみんなドラゴンズOBか中京地区出身者だがこの選手だけは福岡県出身でホエールズOBである。結果は2-1からピッチャーゴロであった。9番の森にも代打、田野倉利男が告げられたところで、東京もピッチャー交代。江夏豊の登場である。スタンドは大歓声、江夏が投球するとフラッシュが光る。江夏は田野倉をセンターフライ、続く彦野も1-1からショートゴロに討ち取った

6回裏
代打の大久保がファーストに入り、斉藤はレフトに。バッテリーはピッチャー山内和宏、キャッチャーは市川和正となった。安部、駒田が倒れ、デストラーデを迎えたところで、ピッチャーは内藤尚行にスイッチされた。内藤は愛知・瑞穂球場で行なわれた札幌戦では外野手として出場していたのだが、登板は今シーズン初めてのようである。それにしても、ギャオスvsデストラーデとはなかなか面白い対決である。近藤監督の演出だろうか。

内藤が咆えてデストラーデに挑む、結果は2球目をライト前に落とすポテンヒット、バッターの判定勝ちか。悔しがる内藤だったが鮎川をショートゴロに討ち取りまた咆えていた。

7回表
東京のセットアッパー斉藤明夫がマウンドへ。上川がセンター前ヒットで出塁し、宇野の2球目に盗塁成功。しかし宇野は続く3球目をレフトに打ち揚げてしまいランナー進められず。斉藤空振り三振の時に上川は三盗にも成功。盗塁王争いトップに立った。続く市川は初球をセンターに弾き返し今シーズン初安打がタイムリーとなった。6番、田尾の当たりはファースト駒田が巧く捌き名古屋の反撃を止めた。

7回裏
ピッチャー与田剛。先頭バッターの首位打者を目指す森、ファースト強襲安打で2塁まで進塁。伊藤の3球目にパスボール、森3塁進塁。伊藤は三振に倒れたが、水上のショートゴロを鴻野がエラーし、東京1点追加4-1。そういえばこの人の守備は昔から危なっかしかった。東京はこのミスにつけ込みたいところだったが、屋鋪のライトフライでファーストランナー水上が帰塁出来ずチェンジとなった。

8回表
キャッチャーは芦沢真也に交代。鴻野見逃し三振、大久保空振り三振、田野倉の代打、木俣センターフライ

8回裏
ピッチャー郭源治、ファーストは岡田忠雄。広瀬レフトライナー、安部フルカウントからセンターオーバー2塁打、駒田は猛打賞となるレフト前ヒット。デストラーデは浅いライトフライ、彦野の強肩により犠牲フライとはならず、2アウト。鮎川センターに打ち揚げ田尾がランニングキャッチ。

9回表
ピッチャーは抑えの切り札、渡辺久信。しかし、名古屋も簡単には引き下がらずストレートを狙い、彦野レフト前ヒット、上川ライト前ヒットで彦野は三塁に進塁しベースコーチの内藤と抱擁。さあ、ホームランが出れば同点、長打力のある宇野、斉藤に期待がかかる。宇野は2-2からセンターに犠牲フライで4-2と詰め寄ったが、斉藤空振り三振、前の打席でタイムリーを放った市川もサードゴロに倒れ試合終了。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
名古屋
東 京 X 4 10

(名)鈴木孝、星野、山内、内藤、与田、郭―鈴木伸、市川
(東)野村、大川、江夏、斉藤、渡辺―大矢、伊藤、芦沢
▽勝 野村1勝
▽敗 鈴木孝1勝2敗
▽S  渡辺1勝3S

また優勝に1歩前進した東京、ヒーローインタビューは今シーズン初勝利の野村と猛打賞の駒田であった。 しかし1月5日に初観戦が果たせるとは、良い時代となったものだ。観衆も発表では31200人と良く入った。やはり日本人は野球が好きなのだ。という事を再認識しつつ家路についたのであった。 

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