4月17日 日本ハム−ロッテ
(東京ドーム)

(山梨県・早乙女修牙)

2004年4月17日、今日は千葉ロッテマリーンズの黒木知宏投手が2001年7月27日以来2年半振りに一軍の公式戦に登板する日である。また対戦相手も嘗て日本ハム・ファイターズのエースとしてと黒木と同じくパシフィックリーグを盛り上げながら最近2年間勝ち星のない岩本勉投手であったので余計に関心を集めた。

そうは言っても私は山梨県在住の上、土曜日も午前中は仕事である。それでも特急かいじ号に乗車し、2時半位に東京ドームに到着する事が出来た。

まずは場外にあるスコアボードで試合の経過を確認する。ひょっとして序盤から乱打戦になり、既に二人共降板しているのではないかと非常に不安だったたがスコアはF3−1Mで二人共まだマウンドにいるようだ。

急いでチケットを買って場内に入ってみると、ある程度予想していたがお客さんの多さに驚いた。マリーンズファンに加え、今年北海道に移転したファイターズが東京に初めて里帰りする公式戦でもあるので、関東在住のファイターズファンも多数足を運んでいるのだろう。1階部分のスタンドはほぼ満員で発表された観衆は42000人であった。今日はチケットを求める人の列が山下書店の前まで届いたそうだ。

お客さんの中には阪神タイガースのユニフォームを着た人も何人か見受けられる。昼はこの試合を観て、夜は神宮球場に行くのだろう。この日協賛の会社が入場者に先着順に黄色の帽子をプレゼントしていたので丁度良かったのではないだろうか。

ここまでの試合の経過は、

1回表
諸積 初球をセンターフライ。SHINJO軽くジャンプでキャッチ。堀 ライトフライ、福浦 センター前ヒット、李 高めのボールが続いてフォアボール、ベニー 初球をセンターフライ。

1回裏
ジョニー、マウンドへ向かう前に一礼。スタンドからは大歓声と拍手の嵐。坪井 セカンドゴロ、SHINJO 低めのボールをショートフライ、小笠原 三振。

2回表
フランコ 三振、波留 強い当たりのピッチャーゴロ、ガンちゃんナイスキャッチ。橋本 センターフライ。

2回裏
エチェバリア 初球レフト前ヒット、木元 ストレートのフォアボール、田中 ショートゴロ、上田 レフトフライ、高橋信 低いボールをバックスクリーンに3ランホームラン! 0対3。金子 空振三振。結果的には、この試合でジョニーがヒットを許したのはこの回の2本だけ。

3回表
小坂 レフトフェンス直撃のツーベース、諸積 セカンドゴロ、堀 フォアボール、福浦 ファーストゴロダブルプレー。

3回裏
坪井 レフトフライ、SHINJO タイミング合わず三振、小笠原 セカンドライナー 堀ナイスプレー。

4回表
李 ショートゴロ、ベニー 三振、フランコ フォアボール、波留 三振。ガンちゃん、ここまでボールが荒れることが多いものの、何とか無失点。

4回裏
エチェバリア ライトフライ、木元 フォアボール、田中幸 三振、上田 サードゴロ。

5回表
橋本 ファーストファールフライ、小坂 ファーストゴロ、諸積 バックスクリーンにホームラン、1対3。堀 サードゴロ。

5回裏
高橋信 三振、金子 泳がされてセカンドゴロ、坪井 ファーストゴロ。

6回表
福浦 三振、李 ファーストゴロ、ベニー レフト前ヒット、フランコ セカンドゴロ。

であった。

6回裏
攻守交代で黒木がマウンドに登る1塁側スタンドのポール寄りで観ていた為、かなり距離があるのだが、背番号54をつけたその姿ははっきりと見る事が出来た。この回もSHINJO センターライナー、小笠原 センターフライ、エチェバリア サードゴロと見事なピッチングを披露した。

話は変わるが今日のファイターズの応援はトランペット等鳴り物無しの応援である。これは暴力団対策の為の応援団員の名簿の提出がされていないからのようだ。

7回表
2アウト後小坂に四球を与えて諸積を迎えたところで岩本は高橋憲幸に交代。勝利投手の権利を手にしての交代であるので、1塁側スタンドを中心に大きな拍手が贈られた。高橋憲は代打の佐藤幸彦を三振にとりピンチを切り抜けた。

7回裏
新ユニフォームに身を包んだファティーと新マスコットB・Bが出て来て新球団歌に合わせパフォーマンス。なかなか二人の息も合っていて東京限定では勿体無い位のいいコンビである。でも翼竜なのに太めの体型のファイティーと熊なのにバク転をしたりして身軽なB・Bのコンビは逆ではないだろうか。

黒木もこの回先頭の木元に四球を与え代打に小田が告げられたところで、交代。勝利投手にはなれなかったが6イニングスを投げ切り失点は2回だけと及第点を与えられる復帰戦であった。むしろ相手の岩本より抜ける球が少なく内容では勝っていたのではないだろうか。

マウンドを降りる黒木に対し、マリーンズファンはもちろん1塁側内野席、ライトスタンドを含め黒木に大きな拍手が贈られた。自分も精一杯拍手を贈った、しかも1試合投げればいいと言うものではない、今度はマリンスタジアムで、その雄姿を見せて欲しいものである。

代わってマウンドに上がったのは川井、マリーンズファンはこの回を抑え反撃に期待したいところだったが、小田にライトへのホームランを許してしまい、川井はマウンドでがっくりと肩を落とした。さらに代打の島田にもライト線の二塁打を浴び一死もとれず戸部に交代、戸部も高橋信二に送りバントを決められ金子に四球を与え交代となった。

4番手はセラフィニ、坪井のセカンドゴロの間に島田が生還し6-1。SHINJOにライト線二塁打、小笠原に死球を与えたところでバレンタイン監督登場。なんとこの回だけで5人目のピッチャー登場である。5番手の薮田がエチェバリアを三振に仕留めようやくチェンジ。

8回表
黒木の敗戦が確実となり意気消沈したのかマリーンズは代わった清水に対し3者凡退に終わった。

9回表
ファイターズの投手は横山に交代。ベニーレフトスタンドにホームラン、フランコライト前ヒットでレフトスタンドが沸いたが、続く波留、代打浜名、小坂が三者連続三振で試合終了。6−2でファイターズの勝利、岩本は2002年4月12日以来の公式戦一軍白星。それに対し、マリーンズはこれで10連敗となってしまった。

お立ち台がセッティングされ、2001年9月15日以来の東京ドームでの岩本のヒーローインタビューが行なわれた。インタビュアーに促され岩本が『言うてもいいですか?』と断りを入れてから少し間を置き、そして、照れくさそうに『まいど、どうも』と、応えた。

岩本は涙を浮かべながら「ジョニーのピッチングが自分にも大いに刺激となった」とコメントしていた。それはおそらく黒木も同じであったろう。インタビューが終わり岩本はファイティー&B・Bと共にファイターズファンが待つライトスタンドに向かった。

※尚、今回の観戦記執筆にあたりダラ球会会員であるホワイトノイズさん、同じくダラ球会会員でありファイターズファンサイト「SAPPORO BALLPARK」管理人でもあるGOさんに情報、写真を提供して頂きました、この場を借りて御礼申し上げます。

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