6月13日セントラルリーグ公式戦 横浜−中日
(札幌市円山球場)

(北海道・りとる☆すたー)

(注・Dragonsファンの方、日本的野球応援に反対の方、申し訳ございません) 

「そろそろサヨナラ勝ちが見たいなあ…。」

そうつぶやきながら、前日ボロ負けを喫した旭川スタルヒン球場を後に札幌へと向かった。札幌はこの時期、”よさこいソーラン祭り”の真っ盛り、宿泊先の確保に思いっきり苦労を要するが、幸い私には札幌に親戚がいたのでそちらに泊まるのであった。

6月13日。天気、晴れ。絶好の野球日和である。予想最高気温30度。「今日も暑そうだなあ…。」と思いつつ円山球場へと向かった。前日の旭川(天気、快晴)での日焼けが結構痛い…(何せ私は日焼け止めクリームが塗れない体だからとっても辛い)。でもBayStarsが勝てばこんなもの大丈夫! 何せ今日の先発投手は私の予想だとBayStars野村−Dragons野口で「野と野の戦い」…、去年の帯広と同じだ。こりゃあ奇跡があるかも…。

とにかくどんな形でもいいからBayStarsに勝ってほしい! 円山球場はBayStarsにとって最も相性の悪い球場(過去5年間で1勝7敗)だからこそ、優勝する為にはこの円山を制するべし! だから今日は絶対に勝つ!! と誓いライトスタンドへ直行。グラウンドではBayStarsの選手が練習の真っ最中。何度見てもひたむきさがかっこいい…。佐伯選手と畠山選手が(私も含めて)ライトスタンドの観客が声をかけると振り向いてくれた。

12時くらいになると、ライトスタンドはほぼ一杯の状態になった。内野席も、一塁側は端っこの一部を除いてほぼ満席状態である。BayStarsファンもすごく増えたなあ…。北海道にもこんなにBayStarsファンがいるんだぜ! やっぱ優勝したおかげかなあ… 隠れファンが表に出てきて、新しいファンが生まれて、そして私みたいな弱い時からの熱烈なファンがいる。BayStarsファンの力はすごい! と思った。

しかしDragonsファンも負けてはいなかった。試合開始近くになると、レフトスタンドも一杯になっていった。三塁側内野席の一部だけががら空きの状態であったが…。むむー、やっぱ今は首位にいるからかなあ…、侮れないなあ…

でもこれこそ日本的野球応援の理想的な形であるので(ホーム:アウェイが5:5〜6:4くらいが理想だと思っている)、ますますDragonsファンに負けないように応援に力を入れようと思った。

試合開始の前に、よさこいソーランのパフォーマンスがあり、大いに盛りあがった。よさこいソーランの団体が入退場で鳴子を鳴らすと、ライトスタンドのBayStarsファンはノリがいい。レフト側はどうだったのかなあ…。

そんでもってし試合開始。1回表、野村投手が連打を浴び2点取られる。野村投手は立ち上がり悪いからなあ…、まあこんなもんでしょう。1回裏、病み上がり復帰の石井琢朗選手がいきなりヒットで出塁するも、後続がなくゼロに終わる。ま、最後に勝てばいいんだからさ、といっている隙に、2回表にゴメスのホームランと四球、エラーなどが重なり4点も取られてしまう。

病み上がりの野村投手、まだ地に足が着いてないのか、それとも過去4年間の平均防御率6.00の円山球場の魔物に飲み込まれているのか、いずれにしても、普通の人ならば、この時点でまず「今日は終った。」となるのだが、私はちっとも諦めていないどころか、これから点を取って絶対に勝てると思っていた。

4回裏、やっとこBayStars側が動き出す。ポゾ選手の一振り! 伸びろ伸びろ入れ入れ! やったあホームラン!! その後も畠山選手や北海道に強い中根選手のヒットもあって計2点を返す。しかし、6回裏に1点返すも、7回と8回に1点ずつ取られてしまう。

やっぱり円山は投手の魔物が住んでいるのか、いや、投手だけでない、過去4年間の平均得点も3.33…なんだから、8回が終った時点で3−8ならば、誰だってもう終ったと思うのだが、私だけは持ち前のPositiveThinking野球応援で決して諦めることはなかった。負ける気がしなかったし…。

「絶対に奇跡が起きるんだって!」 周りにうるさがられながらも、私はこう言い続けていた。 ”ファンが先に諦めてはいけない”というのが私の持論であるがこそ、「絶対に奇跡が起きる!!」と言い続けた。

いよいよ9回裏の攻撃。打順よく1番石井琢朗選手から。Dragonsの投手は門倉。行けるぞと思っていた。「どんな形でもいいから出塁してほしい!」の願いが届き、四球を選ぶ。いいぞいいぞ! 続いてこの日打っている病み上がり波留選手が二塁打! よし続け続け! ライトスタンドは一気に盛り上がる。

すると北海道に強い鈴木尚典選手が2点タイムリー! 行け行けえ〜! ここでDragonsは宣を投入する。私の頭には去年の帯広の奇跡が、そしてこの言葉が出てくる。 「宣を打って勝つ! 宣に負けをつけさせる!」

去年は打ったけれど同点止まり…。今年こそ負けをつけさせる! と言いつつ、北海道に強いローズ選手に願いを託す。そしたらやっぱりヒットを打った! 続いて対Dragonsに限っては北海道に強い駒田選手がヒットを打ち、ポゾ選手がタイムリー! 行けるぞ! 絶対に奇跡が起きる!

井上選手が二塁ゴロを打つ間にまた1点入り、いよいよ1点差! なおも一死1,3塁でバッター谷繁選手! 「サヨナラホームランだ! 谷繁〜!」 ますます応援に熱が入る。すると大きな当たりが…。伸びろ〜、入れ〜! 後一歩でスタンドには入らなかったものの、これが犠牲フライとなりついに同点に!!

やったあ同点だあ!! なおもランナーは残っている(しかも俊足の井上選手)。ここでとっておきの代打佐伯選手! 佐伯選手は北海道に強く(12日の旭川でも猛打賞)、しかも代打となるとものすごく打つ! 「北海道に強い佐伯〜! サヨナラだあ〜!」 すると宣はビビったのか、四球を出す。 「佐伯選手は北海道に強いんだから、宣も恐いと思ったのね。」 私の頭にはとにかく宣に負けをつけさせることしかなかった。

打者一巡して石井琢朗選手も四球を選び、たちまち満塁に! Dragonsは帯広の悪夢を思い出し、宣は北海道に弱いと思ったのか、慌てて正津を投入する。しかし流れはもうBayStarsのもの、絶対に勝てる! しかもバッターは波留選手! 「波留〜! 押し出しでも死球でもエラーでも何でもいいからサヨナラだあ〜!! 行けえ〜!!」

その願いが通じ、文句なしのサヨナラタイムリーを打った!! やったあ!勝ったあ! 今期初のサヨナラ勝ちだあ!! 奇跡は起こったあ!! もうライトスタンドの盛り上がりは最高潮となり、私は思わず涙が出そうになった!

私に対して周りの人々から続々と「良かったねえ〜! すごいじゃない! 奇跡を信じて!」と言葉がかかった。何せ8回を終った時点で私だけ奇跡が起きると言ったものだからすごく嬉しいっ! 思えば波留選手は去年の帯広では延長12回表のピンチに大ファインプレーをして、今年はチャンスにサヨナラタイムリーなんて、まさに北海道で奇跡を呼ぶ男ね!

私は今回札幌に来る前から「円山では絶対に勝つ!」 と言い続けていた。しかも一番最初に言った言葉 「そろそろサヨナラ勝ちが見たいなあ…。」 が本当になるなんて! さらには去年の「宣を打って勝つ! 宣に負けをつけさせる!」 までも!!

何だか私って奇跡を呼ぶ女?! 我ながらちょっと恐い…(←このへん自意識過剰)。来年は何を予言?!しようかなあ…?(←何意識してるんだよ)と思いBayStarsの優勝を願って帰るのであった(ああ、日焼けと靴擦れがとても痛い…)。

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