『世紀末のプロ野球』(「どうしたって、プロ野球は面白い」改題)

(草野進・著/角川文庫)

(東京都・マー)

著者はクサノススムではなくシンと読むそうだ。しかも女性である。有名な人なのでしょうか? 僕は知りません。本書は雑誌の連載を中心にしているのだが、当時かなり話題になったらしい。15年くらい前だが。

82〜85年のペナントレースについての批評なので、僕は小学校時代。そんなに詳しく見てない時代なので新しい発見が多かった。現在のスポーツライターのプロ野球批評は、「巨人について悪く言える人イコール一流」という感じが巨人ファンの僕にはするので、個人的に好きになれない。しかしこの著者は全体的に手厳しくておもしろい。

ダラ球会の会員の方々にはぜひ読んでもらいたい本、いや読まなければならない本だと思います。もしかしたら読んだ人は多いのでしょうか?

ここで気になる見出しを少しだけ紹介しておきたい。

「80年代のベースボールは二宮尊徳系ではなくサラ金逃亡型でなければならない」
「江川卓はその負け試合によって球史に名を残す精神分析的な存在である」
「プロ野球好きはほんの一瞬のために球場へ出かけて行き、全身的な体験に身をまかす」

どうです。読みたくなったでしょ? 草野進氏について知っている方がいたら教えてほしいです。今もご健在なのでしょうか?


<管理人注>

草野進氏=東大総長・評論家の蓮実重彦氏。

「プロ野球大事典」(玉木正之・著)の「草野進」の項目には
「某球団の選手が彼女の本を読み、『おれ、こういう理屈っぽい女、わりかし好きなんだよね。こういう女を押さえつけて、理屈抜きで喜ばせてやるってのは、快感なんだよな』といっていた。そこで、『バックからでないとできないよ』と、教えておいた」
という記述があります。

 

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