3月21日 ヤクルト−阪神〜オープン戦
(神宮球場)

(ふさ千明)

先日の千葉マリンでの観戦から1週間。 この日はダラ球会のスタッフ会議で、5時から集まることになっていた。 でも昼間が空いていたので他のスタッフと一緒に野球を見ようということになったのだが‥‥。

結局ほとんど揃ってしまったのには、思わず笑ってしまった。 「このままスタッフ会議できるじゃないですか」  球場でスタッフ会議というのはダラ球会らしくていい気もしたが絶対みんなして試合に気を取られて話などになりはしないのだ。おとなしく試合に専念しよう。

神宮のデーゲームといえばもっぱら六大学野球のことであり、スワローズが行うのは珍しい。 先発はタイガース藪。スワローズ前田。 前回書いた「前田に縁がある」が図らずも証明されてしまったようである。

スタメンを聞いていると、タイガースはDH制を使用し(7番八木)スワローズは9人体制で、これはオープン戦ならではの不思議な光景。その他特筆すべきところとしては、怪我のペタジーニがこの試合も欠場したことくらいだろうか。

初回、タイガースは1番坪井が四球で出塁。2番赤星きっちり送って1死2塁。いきなり先制のチャンス。3番今岡がセカンドゴロ、ランナー坪井はサードへ。4番クルーズセカンドフライでチェンジ。

対するスワローズはと言えば。 1番真中、初球を打って右中間を破るツーベース。 トップバッターがいきなりガツン。この辺は諸説あるものと思われるが、結果オーライか。 2番宮本が送って1死3塁。3番稲葉のショートゴロでランナー生還。1点先制、1−0。4番古田は見逃し三振でチェンジ。

ランナーを出し、得点圏まで進め、タイムリーがでなかった点では同じだったが、ツーベースだったスワローズが先制した。

4回裏、この回先頭の宮本がレフト前に放ち、次打者稲葉の打席、初球エンドラン、成功。無死1,3塁。4番を務める古田に期待がかかったが、セカンドゴロゲッツー。ただ、4−2−3ではなく4−6−3だったのでサードの宮本帰って1点追加。2−0。確かにホームはフォースアウトに出来ないが、サードランナーを進めさせない工夫はなかったものか。

そして5回裏、先頭の岩村、ライトスタンドへライナーで飛び込むソロホームラン。3−0。勢いのあまりボールがスタンドに跳ね返りグラウンドに戻ってきた。ファーストの広沢が拾ってスタンドに投げ入れようとするも‥‥届かない。思わず失笑が漏れる客席。 見かねたブルペンキャッチャーが代わって投げ入れる。 よりによって神宮でなぁ、と思ってしまった。

藪は結局5回を投げきり、降板。 こうして見てみると、藪の5回3失点はあまり責められないように思えた。そんなに内容は悪くなく、特に3点のうち2点は内野ゴロの間に取られたのだから。

藪のあとはハンセル−西川−部坂の継投。試しなのだろうが、なんとなくシーズン中も実際こういう展開になりそうな気がするのはなぜだろうか。

片や前田、6回を投げて無失点無四球、被安打3。タイガースに2併殺を食らわせ、完全に手玉に取った。 ほぼベストピッチだろう。このまま行けばローテーション入りも近かろうと思われるほどに。 前田のあとは高津−山本−宮出の継投。シーズンとは逆パターンだが、このあたり、何か意味を勘ぐりたくなる。

その後の試合のほうはと言えば。 7回表2死から広沢がライト線に痛烈な打球。明らかなツーベースコースなのだが広沢一塁ストップ。八木が右中間にポトリと落として一,三塁。ここで打者はカツノリ。絶好のチャンスに代打策が取られないことで、タイガースファンから大いにブーイングが飛ぶ。とっておきの桧山を投入するならここではなかったか‥‥。

険悪な空気の中、カツノリの打球はサードへ。抜ければタイムリー、しかし岩村が好捕。これを見たカツノリが速度を緩め、ファーストで間一髪アウト。間に合っていれば一点だったのだが。 そのため再度のブーイングが球場内、満ちた。 カツノリは9回にも2死後の打者として登場し、代打出せ、の大合唱の中サードゴロに倒れている。 道は険しいようだ。

話を戻そう。 8回表。先頭の沖原が四球で出塁。坪井が見逃し三振に倒れ、次打者赤星に代打塩谷。 この塩谷が右中間を破るタイムリーツーベースで、ようやく1点。3−1。反撃の狼煙というにはあまりにも‥‥。いままでチャンスを潰し続けてきただけあって、あまりにも、と思ってしまう。

結局3−1でスワローズ勝利。 オープン戦とはいえ時期的にもカード的にもシーズンと蜊キなく、この展開は何かを暗示しているように思えてならない。

また、やたらとゲッツーの多い試合で、タイガース2、スワローズ4と、両チーム合わせて6つ。 これが両チームの今シーズンを占う結果だとすれば、非常に不吉だが。

最後に。「敗戦投手藪っていうコール、耳になじみますよね」というつぶやきが誰のものだったかはあえて記さずにおくことにさせていただく。

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